その他
ERP、第2フェーズへ eビジネスとの連動も
2002/06/03 15:00
週刊BCN 2002年06月03日vol.943掲載
ERPが第2フェーズに突入したといわれる。バーンジャパンの杉山隆弘社長は、「ERPに対する企業ユーザーの意識が、日本でも大きく変わってきた」と指摘。独SAP AGのエグゼクティブボードメンバーであるクラウス・ハインリッヒ氏も、「これまでのERPに対する投資資産を保護しながら、企業内外を結んだシームレスなeビジネスソリューション環境に移行したいといった要望が急速に増加している」と、ERPに対する需要の変化を語る。こうした変化に合わせてERP製品群も大きく様変わりしようとしている。(大河原克行●取材/文)
SAP、バーンが新製品投入 ●経験を積んだユーザー企業 「ERPはBPRの最適のツールというのは、間違った認識。これが、ようやく日本企業の間にも浸透してきた」と話すのは、バーンジャパンの杉山社長。 「この数年の間に、一度はERPの導入を検討したり、部分的に導入したりといった経験をしたことで、『BPRなくしてERPは成功しない』という本来の姿が企業で共通の認識になってきた。つまり、日本のERP市場がいよいよ第1フェーズを卒業したことになる」と指摘する。 日本においてERPが叫ばれ始めてかなりの年月が経つ。最近では、その言葉が新聞や雑誌などに取り上げられることが少なくなったが、いまやシステムインテグレータなどにおいては重要なソリューションとなっている。 しかし、これまでERPの導入失敗例は数多く聞かれた。カットオーバーまで大幅な時間がかかる、コストが高い、導入メリットが得られない――など、ERPに関する厳しい声は少なくない。 こうした動きを捉えて、「企業ユーザーが経験を得たことで、正しい認識が出てきた」と杉山社長は繰り返す。 もう1つ、ERPに関して大きな変化が出てきた。それは、企業情報システムはカスタマイズが最適解だとする考え方が薄れてきたことだ。 日本では、カスタマイズを中心にして情報システムが構築されてきた経緯がある。しかし、オープン化とパッケージ化、さらにeビジネスの進展にともなって、カスタマイズではタイムコンペティションに勝てないという構図ができあがってきた。 「ERPにとっては、カスタマイズ自体がバージョンアップや機能追求のバリアになり、負の遺産にしかならない。また、カスタマイズをすればするほど工数と費用がかさむ。ユーザーにとってメリットは少ない」と杉山社長は話す。●企業間ビジネスにも こうしたなか、ERP主要メーカー各社は、新たな製品群の投入に乗り出した。いわば第2フェーズの製品群ともいえる動きだ。 ERP最大手のSAPは、次世代ERP「SAP R/3 Enterprise」を7月から投入する。「R/3 Enterpriseは、従来の投資を有効に活用しながら、柔軟に次世代のERPへと拡張できる。R/3のユーザーは、mySAP.comによって、フルセットのコラボレーション型ビジネスへの対応が図れる」(開発最高責任者のクラウス・ハインリッヒ SAP AGエグゼクティブ・ボード・メンバー)と、企業の成長に合わせて、SAP R/3 Enter priseからmySAP.comへ発展させた活用が可能などのメリットを訴えている。 また、バーンでは、6月から「iBaan ERP5.0c」に加えて、CRMの「iBaan for CRM SalesPlus/SalesPoint」、PLMの「iBaan for PLM」をそれぞれ出荷。「ERPもさまざまなパッケージの組み合わせによって、最適化できるという手法が浸透してきた」(杉山社長)と語る。 企業ユーザーの意識変化、導入形態の変化が新たなフェーズを形成している。
ERPが第2フェーズに突入したといわれる。バーンジャパンの杉山隆弘社長は、「ERPに対する企業ユーザーの意識が、日本でも大きく変わってきた」と指摘。独SAP AGのエグゼクティブボードメンバーであるクラウス・ハインリッヒ氏も、「これまでのERPに対する投資資産を保護しながら、企業内外を結んだシームレスなeビジネスソリューション環境に移行したいといった要望が急速に増加している」と、ERPに対する需要の変化を語る。こうした変化に合わせてERP製品群も大きく様変わりしようとしている。(大河原克行●取材/文)
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