その他
広がるホットスポット 無線LANでどこでもネット
2002/06/24 15:00
週刊BCN 2002年06月24日vol.946掲載
屋外や公共スペースで無線LANによる高速データ通信を利用できる、通称「ホットスポット」が急速な勢いで広がりつつある。業界の試算によれば、今年3月末には約100か所だった国内のホットスポットは、5月末には約500か所にまで拡大したと見られ、年内には約5000か所にまで増加すると予測されている。空港ラウンジ、ファストフード店、ホテルのロビー、駅構内など、まさに、無線LANがどこでも利用できる環境が整うことになる。その一方で、ビジネスモデルの確立、事業の収益性などに対する問題を指摘する声も出ている。(大河原克行●取材/文)
年内には約5000か所に増加
●新規投資なしで展開
ホットスポットを設置している企業の多くは、サービス事業者からの無償提供という形で無線LAN機器を設置している。
この分野にいち早く乗り出したモスバーガーの場合、NTTコミュニケーションズから機器の提供を受け、6月中にも東京23区内のほぼ全店(約150店舗)に無線LANを設置する。
モスバーガーの基本的な考え方は、新たな投資をしないという点。そして、昼食時の時間帯以外での集客増を図ることだ。
今年春まで実施していた試験サービスでは6000人のモニターが参加、40歳以上のビジネスマンが午後の時間帯などに訪れるという新たな顧客層の獲得に成功した。
ファストフード店の場合、無線LANの設置で、新たな顧客層の集客で飲食物の売上拡大を目指すというビジネスモデルだ。
だが、まだ利用者数が少ないという現状を考えれば、自ら投資して集客増を図り、売り上げ増で相殺するという構図はまだ確立できていない。
NTTコミュニケーションズでも、将来的には、ファストフード店などが自ら投資し機器を設置することを目指したいとしているが、これにはまだしばらく時間がかかりそうだ。
●収益モデルの確立を
サービス提供会社が乗り出しているのが、サービスの有料化である。これがホットスポットサービスによる基本的な収益モデルになりそうだ。
MISやNTTコミュニケーションズといった大手が今年春以降、有料化に踏み切っているが、まだ会員数は少ないのが現状だ。
大手サービス提供会社では、約10万人の会員獲得が収益モデルの分岐点とみているようだが、この数値に到達するのは来年から再来年とやや長期的な視点で捉えている。
また、有料化した場合、サービス提供会社をまたいだ「ローミング」に関する技術/料金制度を事業者間で調整する必要も出てくる。
電子情報技術産業協会(JEITA)でも、ローミングに関する契約形態についてのガイドライン策定の必要性を訴えており、この部分では、業界団体が仲介役を果たす可能性も出てきそうだ。
将来的な収益の柱と見られているのが、コンテンツによる収入である。
モバイルコンテンツとしては、すでにiモードなどの携帯電話が成功しているが、サービス提供会社などでも、この分野への準備に余念がない。
例えば、エリア限定という特徴を捉えて、ホットスポット独自の地域情報などの提供や、その場所でしかサービスを受けられないといったコンテンツサービスの創出なども期待されている。
いずれにしろ、ホットスポットを取り巻く事業各社は、その収益モデルを模索している段階にある。
果たして、ホットスポットが収益性のあるビジネスに転換するのはいつになるのだろうか。
屋外や公共スペースで無線LANによる高速データ通信を利用できる、通称「ホットスポット」が急速な勢いで広がりつつある。業界の試算によれば、今年3月末には約100か所だった国内のホットスポットは、5月末には約500か所にまで拡大したと見られ、年内には約5000か所にまで増加すると予測されている。空港ラウンジ、ファストフード店、ホテルのロビー、駅構内など、まさに、無線LANがどこでも利用できる環境が整うことになる。その一方で、ビジネスモデルの確立、事業の収益性などに対する問題を指摘する声も出ている。(大河原克行●取材/文)
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