その他
米ブロケードコミュニケーションズシステムズ 「ブロケード・カンファレンス2002」を開催
2002/06/24 21:12
週刊BCN 2002年06月24日vol.946掲載
ストレージ・ネットワーク大手の米ブロケードコミュニケーションズシステムズは、ビジネス拡大のために、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)普及を強化する。同社は、米国ネバダ州ラスベガスで02年6月3-5日の3日間にわたり、第2回アニュアルカンファレンス「ブロケード・カンファレンス2002」を開催。700人の顧客企業のほか、パートナー企業や報道関係者など世界20か国から参加、総勢1200人以上の大規模なカンファレンスとなった。また、イベントセンター内に設置した「ソリューションズセンター」では、40社以上の企業による最新のSANテクノロジーを出展した。(佐相彰彦)
SANの普及を世界に促す
■SANの優位性を強調
「ブロケード・カンファレンス2002」では、パートナー企業や顧客企業に対し、SANの優位性を訴求した。
グレッグ・レイス会長兼CEOは、「SANは、接続性の問題を解決するだけでなく、ストレージ統合や集中管理、バックアップのシェアリング、ローコスト、デザスタリカバリー、アプリケーションの面で導入の意味が大きい。また、ROI(投資利益率)の面では、SANとストレージ管理の統合で300%、体系化したデータバックアップで400%、高可用性のSAN環境を実現することで525%向上が達成できる」と強調する。
マイク・バード社長兼CEOは、「SAN環境のストレージは、50%のTCO(所有総コスト)を削減することができる」と話す。
プロダクトマーケティングを担当するジェイ・キッド副社長は、「DAS(ダイレクト・アタッチト・ストレージ)環境をSAN環境に移行することで、さまざまな角度からストレージを活用でき、『ストレージの仮想化』を実現することになる」としており、「SAN市場は、ほかのどのIT分野と比較しても、急速に拡大している。SANが有効性の高いソリューションとして、システム全体のコスト削減を実現するからだ」と語る。
■スイッチ製品でシェア90%
米ブロケードコミュニケーションズシステムズは、95年に設立されたネットワークストレージ機器ベンダー。SANを実現するための中核となるファイバーチャネルスイッチ製品群「SilkWorm」シリーズを主力製品とする。
販売は、ストレージメーカーのOEM販売が主流で、米国での契約企業がIBMやコンパック、HPなど、日本でのローカル契約企業がNECや富士通、日立製作所、ソニー、東芝などが名を連ねる。OEMパートナーとの関係強化については、米国サンノゼに、同社製品と約10社のOEMパートナー製品との互換性を検証する「SQA-OEMセンター」を01年10月に設置した。
ガートナーによると、米国大手400社のうち、58%がSANを導入、29%が今後12か月以内に導入するという調査結果になった。今後1年以内に87%がSANを導入することになる。
ワールドワイドでみると、SAN市場における同社のファイバーチャネルスイッチは、約90%のシェアを占めている。事実上、世界標準となる同社では、SAN市場を拡大することで、ビジネスチャンスを広げていく構えだ。
■日本はSANが遅れ気味
日本は、SANの普及が米国をはじめ、オーストラリアやシンガポール、香港などよりも遅れているという。インターナショナルセールスを担当するジェームス・ラロン副社長は、「日本企業は、ようやくSANのメリットに気がつき、複数の社内システムに導入し始めている」と指摘する。「徐々にではあるが、日本がSANを戦略的に活用する段階に移行しつつある」としている。
そのため同社では、日本市場で潜在需要を掘り起こし、ビジネスを拡大していきたい意向だ。バード社長兼COOは、「日本は世界で2番目のIT市場。注目している市場でもある」と語る。
日本での需要開拓策としては、チャネルプログラムを計画。中小企業向けに、低価格のファブリック・スイッチ「SilkWorm3200」とバックアップソフトウェアをパッケージ化し、SANを導入しやすい環境を整える。同製品は、ウィンドウズNT/2000、Linux、Unixサーバーなどをサポートし、NAS(ネットワーク・アタッチト・ストレージ)デバイスに拡張性の高いバックエンドを提供することで、エンタープライズ全体にわたるSAN展開の足がかりともなる製品だ。
大企業向けには、コア・ファブリック・スイッチ「SilkWorm12000」をOEMでの提供を中心とし、OEMパートナーが販売しやすい環境を整える。TIS、エントレージ・ブロードコミュニケーションズ、東京エレクトロン、ベリタスの4社と共同で「B-cubeプロジェクト」を立ち上げ、相互接続検証サービスや、SANシステムの構築・運用のための総合的なコンサルティングの提供なども積極的に行っている。
バード社長兼COOは、「現在、日本市場での売上高は、ワールドワイドで5%足らずだが、その比率が高まっていくだろう。日本法人の売上高を2倍に拡大する」と意気込む。
ストレージ・ネットワーク大手の米ブロケードコミュニケーションズシステムズは、ビジネス拡大のために、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)普及を強化する。同社は、米国ネバダ州ラスベガスで02年6月3-5日の3日間にわたり、第2回アニュアルカンファレンス「ブロケード・カンファレンス2002」を開催。700人の顧客企業のほか、パートナー企業や報道関係者など世界20か国から参加、総勢1200人以上の大規模なカンファレンスとなった。また、イベントセンター内に設置した「ソリューションズセンター」では、40社以上の企業による最新のSANテクノロジーを出展した。(佐相彰彦)
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