その他
フロントオフィス市場 ノーツの後釜狙い、大激戦に突入
2002/09/30 15:00
週刊BCN 2002年09月30日vol.959掲載
第2次フロントオフィス戦争が勃発した。グループウェアで一世を風靡したノーツの新バージョンが10月以降登場するのにともない、現行ノーツの“後釜”を狙う動きが頂点に達している。マイクロソフトは.NETプラットフォームでノーツの刷新阻止を打ち出す一方、新ノーツや.NETに対応したEIP(企業情報ポータル)勢力も名乗りを上げる。これを受けてフロントオフィス(情報系システム)市場は、「1995年当時のノーツブーム以来の大刷新時代に突入する」(NEC)のは確実。アプリケーションを開発する側のシステム販社は、どのプラットフォームに軸足を置くべきか、今まさに選択を迫られている。
EIPによる切り崩しも
「ノーツの販売実績で3本の指に入る」と自負する大塚商会は、「95年のグループウェアブーム以来の盛り上がりになる」(マーケティング本部・山口雄二次長)と戦闘意欲満々。富士通ビジネスシステム(FJB)は、「バックオフィス(基幹系システム)市場は行き着くところまで行った。統合化が目覚ましいフロントオフィスは成長株。来年度(04年3月期)は、金額ベースでこの分野の売り上げを、前年比で最低でも3-5割伸ばす」(ソリューション推進部の金沢昌一担当課長)と鼻息が荒い。
ノーツ販売で実績のあるNECネクサソリューションズは、「フロントオフィスの刷新ブームに乗り、来年度は前年度比で1.5倍伸ばす」(共通SI事業部・太田元治事業部長)と断言。これまでフロント系で実績の少なかった内田洋行も、「バックオフィスだけでは限界がある。年度内(03年7月期)に、EIP、SFA(営業支援システム)、CRMなどフロント系の新商材を一通り揃える」(情報システム事業部・秦輝雄取締役事業部長)と宣戦布告する。
独自のグループウェア「スターオフィス」を担ぐNECは、「旧ノーツなどからの乗り換え商談のうち、4割をスターオフィスに引き込み、来年度はこの分野の売上高で2-5割増を目指す」(フロントオフィス事業部・花田信夫事業部長)と意気盛んだ。スターオフィスは、当初、独自のアーキテクチャだったが、ここへきてEIP部分を抜き出し、既存のノーツやエクスチェンジ資産を引き継ぐポータル化戦略を打ち出した。これにより、過去の資産を継承してのフロントオフィス刷新需要を取り込む。
EIP化することで、既存の資産と競合することなく、フロントオフィスを統合する手法は、急成長したサイボウズも踏襲する。「ノーツやエクスチェンジは競合ではない。当社のEIP型グループウェアは、これら既存システムをエンジンとして動く」(サイボウズ・高須賀宣社長)と、EIPを切り口としたフロントオフィス市場の切り崩しに力を入れる。競合のプラムツリーソフトウェアやネオジャパンも、SIパートナーと組んでEIP市場を狙う。
しかし、ベンダー同士の混戦に戸惑う販社もある。ノーツ向けのアプリケーション開発で実績のあるピクシス情報技術研究所の津福一成取締役は、「.NETフレームワーク向けのSFAを年内に製品化する。これまではノーツが主体だったが、来年度(04年1月期)は売上ベースで.NET向けが3割に増え、ノーツ向けが7割になる。顧客企業が.NETを選択したとき、手持ちの弾がないと闘えない」からだ。
NECネクサソリューションズの太田事業部長は、「ノーツ、.NET、Javaの3方向をにらみ、顧客動向に合わせてどのアプリケーション開発を優先するかを決める」と慎重な姿勢を示す。これに対し、FJBの金沢担当課長は、「.NETフレームワーク向けのアプリケーションをどれだけ早期に開発できるかが生き残りのカギになる」と、積極姿勢を崩さない。
システム販社の意見を総合すると、既存顧客のうち旧ノーツ4ユーザーは4-5割を占める。年度末商戦から来年度にかけて本格的な移行が見込めるものの、混戦の度が増すにつれ、「どの潮流に乗れば収益を最大化できるか」(販社幹部)、現段階では方向を決めかねている販社も多い。
第2次フロントオフィス戦争が勃発した。グループウェアで一世を風靡したノーツの新バージョンが10月以降登場するのにともない、現行ノーツの“後釜”を狙う動きが頂点に達している。マイクロソフトは.NETプラットフォームでノーツの刷新阻止を打ち出す一方、新ノーツや.NETに対応したEIP(企業情報ポータル)勢力も名乗りを上げる。これを受けてフロントオフィス(情報系システム)市場は、「1995年当時のノーツブーム以来の大刷新時代に突入する」(NEC)のは確実。アプリケーションを開発する側のシステム販社は、どのプラットフォームに軸足を置くべきか、今まさに選択を迫られている。
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