その他
どこも人だかり、中国電脳商場
2002/10/07 15:00
週刊BCN 2002年10月07日vol.960掲載
北京市内の北西部、北京大学や清華大学がある中関村地区には、小さなパソコンショップが入ったビルや平屋があちこちに点在する。その建物のなかには、ハードウェアやソフトウェアの専門店をはじめ、ディスプレイ、リムーバブルディスク、メモリ、PCケース、マウスなどそれぞれのパーツを扱う小さな専門店がフロアにひしめいている。ほかの都市のパソコンショップも同様で、市街地のビル一棟にパソコンショップがテナントとして入り、IT機器を専門に販売する電脳商場を形成している。(北京発・吉若徹特派員)
3万店のパソコンショップ、中国市場を牽引
■ノーブランドのオーダーメイドが主体
中国には米国や日本で展開しているコンピュータ・スーパーストアのようなものはまだない。 電脳商場あるいは電脳市場と呼ばれるビルや平屋の倉庫のようなところに小さな専門店がいくつも集まって、パソコンショップを形成している。
オーダーメイドでパソコンを作る専門店や、ノートパソコンの専門店、国内有名ブランドのアンテナショップなどがところ狭しと並んでいる。ここで働いている人たちは皆若い。
コンピュータ本体は、インテルセレロン1GHz、CRTディスプレイ付きが日本円にして10万円前後、ノーブランドだと6-7万円で購入できる。マイクロソフト製品で中国語にローカライズされているものは、日本で同様の製品を買うのと価格的にはほとんど変わりない。また外国からの輸入製品は海外で購入する価格とあまり変わらない。
ただし中国国内で生産される製品は、日本で同じ機能をもつ製品と比較すると、日本の価格の5分の1から10分の1という価格で販売されている。USB対応のリムーバブルメモリディスクなど32MBタイプで1000円前後である。
中国最大のコンピュータベンダーである聯想集団(レジェンド)のディストリビューション部門を担当する聯想集団子会社神州数碼(ディジタル・チャイナ)の毛向前副社長は、中国のコンピュータ流通について次ように語る。
「われわれの取引先は2000社だが、中国には販売会社が6000社ほどある。われわれは中国全国32都市に出先機関を置いて商品の流通を行っているが、パソコンショップの末端までは把握できていない。中関村の電脳商場のように小さなパソコンショップが都市部を中心に広がっているが、2-3万店はすでにあるだろう。日本にあるような大型のコンピュータ専門店はまだ中国にはない。将来、大型のコンピュータ専門店が出てくる可能性はおおいにある。市場を大きくするためにも出現に期待している」
神州数碼では主にビジネス系のIT機器を全国の販売店に卸しているが、パソコンショップへはその販売店からも流通しているという。
中国電子情報産業研究院のCCIDコンサルティング社によると、中国でパソコン販売の90%以上を占めるデスクトップパソコン市場では聯想集団が約30%のシェアをもち、以下北大方正集団約10%、清華同方集団約6%、デルコンピュータ5%と続く。出荷台数のなかで多いのがノーブランドパソコンである。CCIDによると、出荷台数の約32%がノーブランドだという。
「メーカー製のパソコンはビジネス用途で利用されており、電脳商場で販売されているパソコンの多くは、ノーブランドのオーダーメイドパソコンと見ていいだろう」(毛向前副社長)。
■強化される海賊版取り締まり
中国ではWTO加盟後、海賊版、いわゆる違法コピーに関する取り締まりが強化されつつある。海賊版を販売している側も購入した側も、現行犯で逮捕されて罰金を払うことになる。
相場はCD-Rに2本のソフトが入ってソフト1本あたり10元(約150円:1元=約15円)、DVD1タイトルあたり10元である。電脳商場ビルや電脳市場にテナントを構えている店では「動作確認のためのテスト用としてインストールして提供している」(中関村のあるパソコンショップ)という。
電脳商場の外に出ると、どこからともなく声がかかる。また路地裏に入ると段ボールにCDをうず高く積んで道行く人に声を掛けている。 売れるものであればなんでもいいようである。電脳商場か観光地かで、売るものがCD-ROMかスカーフかの違いだけである。
中国では、正規版を無断でコピーし販売する「コピー文化」が蔓延しており、WTO加盟を機に政府が取り締まりに乗り出した。ソフトメーカーにとって違法コピーは市場が大きく成長するなかで、死活問題である。
徹底的な解決なくしては中国の国際社会への仲間入りも難しいだけに、中国政府の違法コピーに対する今後の対応が注目される。
北京市内の北西部、北京大学や清華大学がある中関村地区には、小さなパソコンショップが入ったビルや平屋があちこちに点在する。その建物のなかには、ハードウェアやソフトウェアの専門店をはじめ、ディスプレイ、リムーバブルディスク、メモリ、PCケース、マウスなどそれぞれのパーツを扱う小さな専門店がフロアにひしめいている。ほかの都市のパソコンショップも同様で、市街地のビル一棟にパソコンショップがテナントとして入り、IT機器を専門に販売する電脳商場を形成している。(北京発・吉若徹特派員)
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