その他
記録型DVD出揃う
2002/11/11 15:00
週刊BCN 2002年11月11日vol.965掲載
記録型DVD市場は、この年末・年始の商戦が天王山となりそうな様相を深めている。
新しいドライブメーカーとしてソニー、日立LGなどが名乗りを上げ、当面考えられる主要プレーヤーがほぼ揃うこと、製品的にも単一フォーマット品に加えて、マルチ、デュアルなどと呼ばれる複合フォーマット製品も出揃うためだ。
年末・年始が天王山に
周知の通り、何度でも書き換えられる記録型DVDには大きく分けて3つのフォーマットがある。 松下電器産業が主導的役割を果たしているDVD-RAM、パイオニアが主導しているDVD-RW、そしてリコーなどが推進するDVD+RWである。 これに、1回だけ書き込みのできる規格としてDVR-R(RAM、-RW陣営が採用)と、DVD+R(+RW陣営が採用)の2つが実用化されている。 スタートダッシュが早かったのはDVD-RAMで、一昨年から市場確立に努めてきたが、絶対的優位を確立する前に他陣営の追撃を受け、今年は3方式鼎立時代に入った。
そうしたなかで明確な流れとしてあったのは、フォーマットの複合化である。
DVD-R/-RWとして、追記・書き換え機能をもった製品が登場したのを契機に、DVD-R/RAM、DVD+RW/+Rと、この両機能をもつことは当たり前になった。
また、「マイナス」、「プラス」陣営ともCD-R/RW機能を包含させ、この機能をもたせるのが難しいとされてきたDVD-RAM陣営との最大の差別化策としてきた。
これに対し、DVD-RAM陣営では、日立LGがDVD-RAMに加えてDVD-R/-RWのダブルフォーマット、およびCD-R/RW機能ももたせたドライブを開発、日本ではアイ・オー・データ機器が「7つのフォーマットに対応」を謳い文句に先陣を切って発売した。一言でいえば、RAMとマイナスの融合である。
この路線では、松下電器も同様の機能を搭載した製品を12月上旬に発売する意向である。
一方、去就が注目されていたソニーは、DVD+RW/-RW/+R/-R/CD-RW/Rと6つの書き込みフォーマットに対応した製品を発売。「プラス」と「マイナス」の融合路線を明確にした。
複合化に当たってのここまでの流れは、「RAMとマイナスの融合」、「プラスとマイナスの融合」という2つの方向が表面化しているわけだ。
これに対して、先行したパイオニア、リコーなどはまだ複合化路線には明確な意思表示はしていない。
メーカーとしては、多少ともコストアップの要因になる複合化はできれば避けたいというのが本音だろうが、年末商戦の行方を見て態度を決めても遅くないとも考えていることであろう。
アフターマーケットの動向は以上見てきた通りだが、最終的にはパソコン本体メーカーの採用状況で決まるとの見方はさらに強まっている。
現在、記録型DVDの採用は上位機種から進んでいる。来年の今頃には、ハイエンドモデルから低価格モデルまで、ほとんどの機種に搭載されるだろうと見られており、ドライブメーカーはそれを前提に戦略を立てている。
本体メーカーも、この年末商戦を見ながら、どの路線を採用するか。戦略を練り直すことであろう。
まさに天王山である。(石井成樹●取材/文)
記録型DVD市場は、この年末・年始の商戦が天王山となりそうな様相を深めている。
新しいドライブメーカーとしてソニー、日立LGなどが名乗りを上げ、当面考えられる主要プレーヤーがほぼ揃うこと、製品的にも単一フォーマット品に加えて、マルチ、デュアルなどと呼ばれる複合フォーマット製品も出揃うためだ。
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…