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注目を集める「BI」 情報を戦略ツールに
2002/11/11 15:00
週刊BCN 2002年11月11日vol.965掲載
BI(ビジネス・インテリジェンス)が注目を集めようとしている。米国では、今後の成長が見込まれる分野であるとされているものの、日本では米国ほど関心が集まってこなかったのが実態。しかし、企業の情報化投資が経営と直結した形へと進展し、さらに、経営層がより戦略的にITを活用しようという動きが、BIへの関心を高めている。今後のBI市場はどうなるのか。
成功の秘訣は導入後の運営
■注目度が高い米国
米国におけるBIの注目度は極めて高い。
米IDCが発表したBIツールの市場規模は、2006年には全世界で75億ドルに達するとしており、毎年高い成長率を遂げると予想している。
ここで示すBIとは、クエリー/レポーティング、多次元解析、データマイニング、データウェアハウス、ESI(Edge Side Includes)ソフトなど。
最近ではバランススコアカードといった手法を前面に打ち出すベンダーもあり、今後はこうしたものも含まれてくる。BI市場の拡大は、BIベンダー各社の業績も軒並み上向いていることからも明らかだ。
一方、日本では、企業の情報化投資は依然として厳しい状況にある。
しかし、ROI(投資利益率)が不透明な情報化投資を避ける傾向が強いこと、既存のIT資産を最大限に活用する意向が強いこと、効率化やコスト削減といった方向性をもった情報化投資が優先されているという点では、逆にBIへの関心が高まる要因ともいえる。
特に、経営者がBIの有効性を理解し始めており、これがさらに浸透すれば、今後は米国並の導入が促進されることになりそうだ。
■日本での普及には課題も
あるBIベンダーは、「ユーザー企業は、顧客基点でのビジネスへの転換を図ろうとしているものの、あまりにも情報が氾濫し過ぎ、逆に顧客の顔が見えなくなっているという問題に直面している」と指摘する。データ量の増大は、直接、顧客動向を把握することにはつながらない。
BIは、この企業に蓄積された膨大なデータを、いかに戦略的な情報に変えることができるかが重要なポイントになる。
これまでは蓄積されていたに過ぎない全社や部門ごとのデータを、売上拡大やコスト削減という形で生きたデータに転換できるかにかかっているのである。
具体的には、データをデータウェアハウスやデータマートに蓄積/統合し、これをOLAPツールやデータマイニング、テキストマイニングの手法を用いて分析し、さらに、レポーティングツール、バランススコアカードを活用して、経営改革や問題の事前察知、新製品開発などに生かすという仕組みだ。
だが、経営者がBIの導入意志をもっていたとしても、実際に導入を検討する段階になると、何をどう導入すればいいのか、どんな準備や改革が必要なのか、といったことがわからない企業が多いとの指摘もある。
主要BIベンダーもこのあたりを強く認識しており、ユーザーに対してBIの導入事例を積極的に紹介し始めたり、コンサルティングチームの増強などに力を入れ始めている。
また、その一方で、BIツールは、導入しただけでは成功しないという根本的な問題点をユーザー企業側が熟知する必要もある。
BIベンダーが優れた製品を投入し、コンサルティングを含めたサービス/サポート体制を提供しても、ユーザー企業側の体制変化がそれに追いつかないという問題が発生している。
しかも、BIを導入したにも関わらず、当初狙った成果までは到達していないという事例もすでにいくつか見られている。
BIが日本で本格的に普及するには、ベンダー側の努力に加えて、ユーザー企業への改革に向けた提案/コンサルティングが必要だといえる。
BI(ビジネス・インテリジェンス)が注目を集めようとしている。米国では、今後の成長が見込まれる分野であるとされているものの、日本では米国ほど関心が集まってこなかったのが実態。しかし、企業の情報化投資が経営と直結した形へと進展し、さらに、経営層がより戦略的にITを活用しようという動きが、BIへの関心を高めている。今後のBI市場はどうなるのか。
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