その他
大手ITベンダー 2003年、市場を熱く狙え
2003/01/06 15:00
週刊BCN 2003年01月06日vol.972掲載
「エンドユーザーに指名されるベンダーでなければ、パートナーからも支持を受けることはできない」――。大手ITベンダーのパートナー向け施策が、エンドユーザーを意識したものに変化している。ここ数年、オープン化の浸透により他社との差別化が難しく、パートナー支援策にも決定打が欠けていた。今年は、「エンドユーザーから見て魅力あるベンダーでなければ、パートナー側のビジネスもうまく回転しない」と、ベンダー、パートナーが一丸となってエンドユーザーにアピールする体制を作る動きが加速している。2003年、大手ITベンダーのパートナー戦略は過熱しそうだ。
顧客の支持なくしてパートナーの支持なし!
パートナー戦略はシェア拡大から
「エンドユーザーに指名されるベンダーにならなければ勝ち残れない」
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の窪田大介・執行役員パーソナルシステムズ事業統括チャネルパートナー営業統括本部統括本部長は、こう言い切る。
同社はコンパックコンピュータとの合併にともない昨年はほとんどビジネスが進展せず、パートナー支援についても後手にまわった。今年はこれを挽回するためにパートナー制度を刷新し、製品価格の是正などの手を打っていくという。そのポイントは「エンドユーザーの支持を得ること」だ。
「エンドユーザーに支持されるベンダーになればパートナービジネスも上向く」との方針で、エンドユーザーから指名される日本HPを目指す。かつては、ベンダー側がエンドユーザーを意識すると、「チャネル販売から直販へ切り替えるのではないか」とパートナー側が懸念した時代もあった。
しかし現在では、「エンドユーザーにも新製品情報などがどんどん入っていく。パートナーだけでなく、ベンダーからもエンドユーザーへの情報発信を行い、購入はパートナーからという体制を作ることが重要」(NECの細谷豊造・パートナービジネス営業事業本部長)と力説する。
企業のIT活用は、会計をはじめとする基幹業務だけでなく、CRM(顧客情報管理)やSFA(営業支援システム)などのフロントオフィス業務にまで拡大している。
中小企業ユーザーを多く抱える大手ディーラーでさえ、「取り引きがあるユーザーに対してだけでも、十分にアプローチができているとは言い難い」と話す。
パートナーを支援するという意味でも、ベンダーがユーザーに対する情報発信を行うことで、パートナー側にも新規ビジネスが派生する可能性は大きい。こうしたエンドユーザーへのアピール材料として、パソコンやサーバーのシェアは重要なポイントだ。
2、3年前は、「シェアよりもオリジナルソリューションの充実」を口にしてきたベンダー各社だが、「シェアはユーザーにアピールする重要な要素」と考え方を変えている。
直販で売り上げを伸ばしてきたデルコンピュータがパートナービジネスの主戦場である中堅・中小企業マーケットでも着実にシェアを伸ばしているだけに、「デルに負けない価格競争力も持っていく」と、各社が低価格商品を揃え始めた。
今年のIT市況は必ずしも楽観できる状況ではないが、各社ともに「シェア拡大へ」と鼻息は荒い。ベンダー側の熱意がうまくパートナーに伝わっていけば、市場全体の底上げにもつながっていきそうだ。
「エンドユーザーに指名されるベンダーでなければ、パートナーからも支持を受けることはできない」――。大手ITベンダーのパートナー向け施策が、エンドユーザーを意識したものに変化している。ここ数年、オープン化の浸透により他社との差別化が難しく、パートナー支援策にも決定打が欠けていた。今年は、「エンドユーザーから見て魅力あるベンダーでなければ、パートナー側のビジネスもうまく回転しない」と、ベンダー、パートナーが一丸となってエンドユーザーにアピールする体制を作る動きが加速している。2003年、大手ITベンダーのパートナー戦略は過熱しそうだ。
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