その他
今年のパソコン市場 中古や組立PCパーツがカギに
2003/01/06 15:00
週刊BCN 2003年01月06日vol.972掲載
今年のパソコン販売は、中古パソコンと組立PCパーツがカギになる。中古パソコンでは、ソフマップが中期経営計画のなかでリユース事業の拡大を打ち出しており、05年度に売上高1650億円、経常利益50億円の達成を目指す。これは、ソフマップが得意とする中古パソコン市場で絶対的なマーケットシェアの確立を狙いとする。総合企画部・広報・IR室・松田信行室長は、「パソコンは、ほとんどの家庭に普及している。新品パソコンを主力とした販売でビジネスを拡大していくより、得意分野を伸ばすことが重要だと判断した」と強調する。
有楽町ソフマップ(東京都千代田区)では、昨年10月にフロアをリニューアル。入り口付近に中古パソコンや中古ソフトを展示、修理や下取・買取などのサポートコーナーを設置した。GIGA STORE(ギガストア)梅田店(大阪市北区)でも、昨年10月末に下取・買取や修理などのサポートコーナーを拡大した。有楽町ソフマップの中阿地信介店長は、「顧客のニーズに応える商品・サービスを提供し、ソフマップならではの独自性を前面に押し出すことが差別化につながる」と強調する。ギガストア梅田店の佐々木寛興店長も、「買い替えユーザーに焦点をあて、ほかの競合他社には真似できない戦略が重要だ」としている。
大塚商会のαランド八重洲(東京都中央区)でも中古ビジネスを拡大していく。「ビジネスマンはパソコンの買い増し時に中古パソコンを選ぶ傾向が高まっている」(唐澤昌幸店長)として、「パソコン本体が当店舗の売上高で40%を占めているが、新品パソコンに加えて中古パソコンの売上額も高めていく」構えだ。情報通信分野専門の市場調査機関であるミック経済研究所の調査によると、02年度(03年3月期)の中古パソコン市場は前年度比17・8%増の97万9000台の見通しで、個人向けが91万4000台。市場は今後も拡大していき、05年度に139万台で、個人向けが129万3000台とみている。中古パソコンの需要が今後も一層増えていくということだ。
組立PCパーツに関しては、大阪・日本橋電気街でパーツ専門店を運営するワンズが専門的な知識や品揃えにより競合店舗との差別化を図っており、パソコンマニアの間で根強い人気を集める。最近では、ネット販売が好調で、売上高が前年同月比10%増前後で推移する。日本橋電気街は、梅田に店舗を構えるヨドバシカメラをはじめとして、ヤマダ電機やコジマの郊外型大規模店舗、難波駅前のビックカメラとビックピーカンの出店などで集客数が全盛期に比べ20-30%程度減少するダメージを受けた。だが、ワンズの鈴木礼社長は、「パーツを販売する小規模な店舗が集まれば、日本橋電気街の強みになる」と指摘する。
ヨドバシカメラやビックピーカン、ヤマダ電機などでは、パソコン雑誌やウェブサイト13媒体が主催する販売キャンペーン「あんしん かんたん はじめての組立PC応援フェア Winter」に参加。初心者層をターゲットに組立PCパーツの拡販を図る。この販売キャンペーンには、19社の家電量販店やパソコンショップなどが参加しており、T・ZONE.や九十九電機なども名を連ねる。パソコン需要が低迷しているなか、ショップとしては、確実に利益を確保できる商材を売らなければ、この先も厳しい状況が続くことになる。需要があるという点では、中古パソコンや組立PCパーツが利益を生む商材になりえる。(佐相彰彦●取材/文)
今年のパソコン販売は、中古パソコンと組立PCパーツがカギになる。中古パソコンでは、ソフマップが中期経営計画のなかでリユース事業の拡大を打ち出しており、05年度に売上高1650億円、経常利益50億円の達成を目指す。これは、ソフマップが得意とする中古パソコン市場で絶対的なマーケットシェアの確立を狙いとする。総合企画部・広報・IR室・松田信行室長は、「パソコンは、ほとんどの家庭に普及している。新品パソコンを主力とした販売でビジネスを拡大していくより、得意分野を伸ばすことが重要だと判断した」と強調する。
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