その他
パソコン出荷、2年連続前年割れ
2003/02/03 15:00
週刊BCN 2003年02月03日vol.976掲載
電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した2002年暦年(1―12月)における国内パソコンの出荷実績は、台数が前年比11%減の1002万7000台、金額が同11%減の1兆6793億円となった。台数・金額ともに過去最高の落ち込みで、初めて2年連続の前年割れを記録した。法人市場と個人市場の比率は59%対41%。出荷台数は、法人が同12%減、個人が同10%減となり、両市場とも依然として厳しい状況だったことが浮き彫りになった。
高付加価値のパソコンを
パソコン市場の落ち込みについて、JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会の篠崎雅継委員長(日立製作所・COO兼インターネットプラットフォーム事業部長)は、「01年からの世界的な経済低迷に加え、米国同時多発テロが影響し、02年に入ってからも日本経済はマイナスのスパイラルに進んだ」としており、企業の情報化投資の抑制や個人消費の低迷が続いたことが前年割れの要因とみている。02年度第3四半期(02年10-12月)の出荷実績は、台数ベースで前年同期比6%減の238万1000台、金額ベースで同7%減の3953億円となり、出荷台数の内訳は法人が同4%減、個人が同8%減。今年度通期の出荷台数については、法人向けが前年度比5%減、個人向けが同8%減と、全体で同約6%減の1000万台強を見込む。
だが、来年度は出荷台数で前年度比約7%増の1070万台と予測しており、プラスの方向に進むとみている。法人市場は、「IT投資促進税制により、企業の投資が活性化するのではないか」(篠崎委員長)と分析しており、「減税制度の活用を促すため、簡単で分かりやすい資料を作成して啓蒙していく」個人市場については、中古パソコンが市場全体を底上げするとみている。パソコン幹事会の木村政孝幹事長(日立製作所・インターネットプラットフォーム事業部マーケティング統括本部長)は、「今年度の中古パソコンは、90万台以上の市場規模になるといわれており、構成比率が徐々に高まっている状況だ。中古市場の拡大により、新品の販売も活性化するのではないか」との見方を示す。
確かに、ここにきて中古市場の成長を指摘する声は、業界関係者の間で高まっている。市場調査機関であるミック経済研究所の調べによると、02年度の中古パソコン市場は前年度比17・8%増の97万9000台となる見通しで、そのうち個人向けが91万4000台。市場は今後もさらに拡大し、05年度には全体で139万台、うち個人向けは129万3000台に達すると予測しており、中古パソコン需要の順調な伸びが見込まれている。
木村幹事長は、「中古市場と共に、新品市場を拡大していくには、中古との差別化が図れる製品を開発していくことが重要となる」と強調する。メーカーにとっては、高付加価値なパソコンを市場投入することで、中古パソコンとのすみ分けが図れるわけだ。篠崎氏は、「パソコンで映像や音楽を楽しむことに関心が高まっており、本格的なAV(音響・映像)用途の利用が増える」と、個人需要の拡大をキーワードに挙げる。また、「テレビと記録型DVDとを結合した製品が登場することにより、パソコン単価の上昇が期待でき、出荷金額を増やすことにもつながる」と指摘する。当面は、テレビチューナー付きや記録型DVD搭載モデルなどをベースに、消費者のニーズに即した製品を発売できるかが、パソコンの拡販のカギを握ることになりそうだ。(佐相彰彦●取材・文)
電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した2002年暦年(1―12月)における国内パソコンの出荷実績は、台数が前年比11%減の1002万7000台、金額が同11%減の1兆6793億円となった。台数・金額ともに過去最高の落ち込みで、初めて2年連続の前年割れを記録した。法人市場と個人市場の比率は59%対41%。出荷台数は、法人が同12%減、個人が同10%減となり、両市場とも依然として厳しい状況だったことが浮き彫りになった。
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