その他
マイクロソフト 「.NETコンソーシアム」、4月に立ち上げ
2003/03/17 21:12
週刊BCN 2003年03月17日vol.982掲載
マイクロソフト(阿多親市社長)は、「.NETコンソーシアム」(仮称)を、早ければ4月中にも立ち上げる。同コンソーシアムは、システム販社やソフト会社が開発する.NETフレームワーク対応のソフトやシステムの互換性を検証する。今年5月に製品化する予定のウィンドウズサーバー2003上で動作するソフトは多いものの、.NETフレームワークに完全準拠したソフトの開発が遅れている。コンソーシアムを組むことで、.NETフレームワークへの対応を促進すると同時に、ウィンドウズサーバー2003の拡販に結びつけるのが狙い。
ソフト、システムの互換性を検証
.NETコンソーシアムは、過去にウィンドウズの開発環境や互換性を検証した「ウィンドウズコンソーシアム」と似た形態になる見通し。マイクロソフトはあくまでも脇役で、.NETコンソーシアムに参加する会員が主体になって運営する。発起会社は未定。これまでマイクロソフトは、ソフト会社を対象とした「.NETパートナープログラム・フォー・ISV」やシステム販社向けの「同・SI」(仮称)など、同社主導の支援策を打ち出してきたが、パートナーが主体となって.NETを推進する組織は今回が初めて。
.NETフレームワークとは、XMLを基盤としたウェブサービスや、異なるベンダーが開発したアプリケーションソフトのデータ互換の基盤となる仕組みで、.NET構想を実現する上で欠かせない要素である。各社のソフトやシステムの.NETフレームワークへの対応が遅れれば、.NET戦略を推進する際の大きな障害となる。
すでに、全社員7400人をカバーする情報系システムにウィンドウズサーバー2003の導入を決め、マイクロソフトとの協調を重視する大塚商会でさえも、主力の自社開発ソフトが.NETフレームワークへ本格的に対応するのは、まだこれからだ。「今後開発する.NETフレームワーク対応のソフトやシステムの動作検証の場所として、.NETコンソーシアムを活用したい」(同社)と、参加への意欲を示す。
アプリケーション開発ツール「ビジュアルスタジオ.NET」向けの拡張ソフトを開発するグレープシティ(仙台市)のダニエル・ファンガー社長は、「今年度(2003年3月期)は、ツール類の売上高の約9割が、.NET以前の古いバージョン向けが占める見込み。予想以上に.NETへの移行は緩やか。.NETフレームワークへの対応への敷居が高いのが原因だが、ここにきて徐々に販売量が増えてきた。来年度(04年3月期)は、.NET対応開発ツールの売上高が過半を超える」と予測する。.NETコンソーシアムの活動にも前向きに取り組む。
今年からいち早く.NETフレームワーク上で動作する業務ソフト「ウェブASコンポーネント」の販売を始めた富士通ビジネスシステム(FJB)は、「すでに、.NETフレームワーク上での構築事例が複数出始めている。.NETコンソーシアムには参加する方向で検討する」と話す。04年3月までに.NET関連の売上高で500億円を目指す日本ユニシスも、「コンソーシアムが立ち上がれば参加する」と語る。
だが、今回の.NETコンソーシアムは、これまでマイクロソフトが.NET関連で打ち出してきた支援プログラムとは異なり、.NETを使ってソフトやシステムを開発するベンダーが主役になってこそ、実効性が出てくる。
89年にウィンドウズの開発環境を整備する目的で開設したウィンドウズコンソーシアムは、ベンダーが主役となり、一定の役割を果たした。一方、.NETコンソーシアムは、異なるベンダー同士の互換性や開発環境の整備を目的とするものだが、「何かと情報不足の89年当時と今とでは状況が違う。コンソーシアムを組む利点を明確に示すことで、幅広い支持が得られるようになる」(関係者)と、冷静な見方もある。
マイクロソフト(阿多親市社長)は、「.NETコンソーシアム」(仮称)を、早ければ4月中にも立ち上げる。同コンソーシアムは、システム販社やソフト会社が開発する.NETフレームワーク対応のソフトやシステムの互換性を検証する。今年5月に製品化する予定のウィンドウズサーバー2003上で動作するソフトは多いものの、.NETフレームワークに完全準拠したソフトの開発が遅れている。コンソーシアムを組むことで、.NETフレームワークへの対応を促進すると同時に、ウィンドウズサーバー2003の拡販に結びつけるのが狙い。
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