その他
Linux、基幹系へ 各社、コスト削減をアピール
2003/03/31 15:00
週刊BCN 2003年03月31日vol.984掲載
ハードメーカー各社が、エンタープライズ対応のLinux事業拡大を標榜している。従来からの科学技術計算分野、ウェブサーバーとしての活用だけでなく、基幹系システムでのLinux採用を働きかけ、ビジネスを拡大していく構えだ。ずばり各社がターゲットにしているのは、メインフレームおよびUNIXサーバーの置き換え。インテルアーキテクチャ(IA)のハードウェアにLinuxを搭載することで、メインフレーム、UNIX機に比べ大幅なコスト削減が実現できる。ただし、現段階ではLinux対応基幹業務用パッケージソフトの数が少なく、ソリューションの確保が今後の事業拡大のカギになりそうだ。
UNIXと汎用機の置き替え喚起
いよいよ日本でも、エンタープライズ領域でのLinux採用に弾みがついてきた。 NECは、2002年度(03年3月期)で約100億円のLinux関連売上高を、03年度には2倍の200億円規模にまで拡大する。富士通は、06年度にLinux事業トータルで売上規模3500億円とする計画で、今年1月末にはインテルと提携し、IAベースのLinuxと本格的に取り組むことを表明した。日本アイ・ビー・エム(日本IBM)では、Linux対応を武器に今年のサーバーシェアでナンバーワンを目指す。
調査会社のIDCによると、国内のサーバー市場におけるLinuxシェアが02年第3四半期(02年7-9月)には前年同期比1.3ポイント増の7.3%と着実に上昇し、06年には15.1%に達すると予測している。
要因として、「エンタープライズ用ディストリビューションが出揃い、これから普及期を迎える」ことを挙げる。従来からLinuxが得意とするウェブサーバーなどのネットワークインフラ、科学技術計算システムに加え、エンタープライズ分野での利用が増えることで、マーケット拡大に拍車がかかるとの見通しだ。
日本IBMでは、03年のサーバーシェアナンバーワンを目指し、メインフレームにLinuxを搭載した低価格機を発売。橋本孝之取締役は、「ずばり狙い目は、国産メインフレームとUNIX機」と強調する。Linuxを利用した場合のシステムトータル価格は、ウィンドウズを利用した場合では大きな差はないとされるものの、UNIX機、メインフレームについてはハードだけで大幅なコストダウンが期待できる。
企業のIT導入は決して活発とはいえない時期だけに、「価格は大きな購買動機となる。ユーザーにIBMの方を向いてもらって、台数シェアを獲ることで、サービス、ソフトといったIBMのトータルビジネスの増加につなげる」(橋本取締役)狙いだ。
NECではLinuxビジネスで、「03年度は前年度に対し売上倍増を目指す」(池原憲二・NECソリューションズ執行役員常務)との方針を掲げる。
もっとも、「全ての顧客がLinux対応を望んでいるわけではない」(池原執行役員常務)として、大学・研究機関、官公庁・政府系機関、NECが強い新聞専用システム関連など、特定分野を最初のターゲットに据えるという。
ただ、そこで問題になってくるのが、まだまだLinuxソリューションが少ない点。日本IBMでは、Linuxビジネスの拡大のカギとして、「ソリューションの移植・移行」を挙げる。NECでは、同社グループが開発したLinuxパッケージソフトを活用し、業種・業務といった分野へ早期導入が図れる体制作りを進めている。
また、オラクル、SAPといった大手アプリケーションベンダーがLinux対応ソフトの開発に注力していることで、基幹系分野でのLinux普及が加速する可能性は大きい。ハードメーカーでは、こうしたISVとの連携を強化することで、「他社よりも、いち早くソリューションを整える」ことを標榜する。
ISVとの連携をどう強化していくのか。これが、Linuxビジネスで他社を出し抜くポイントになることは間違いない。
ハードメーカー各社が、エンタープライズ対応のLinux事業拡大を標榜している。従来からの科学技術計算分野、ウェブサーバーとしての活用だけでなく、基幹系システムでのLinux採用を働きかけ、ビジネスを拡大していく構えだ。ずばり各社がターゲットにしているのは、メインフレームおよびUNIXサーバーの置き換え。インテルアーキテクチャ(IA)のハードウェアにLinuxを搭載することで、メインフレーム、UNIX機に比べ大幅なコスト削減が実現できる。ただし、現段階ではLinux対応基幹業務用パッケージソフトの数が少なく、ソリューションの確保が今後の事業拡大のカギになりそうだ。
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