その他
<業務ソフトメーカーの動き>会計事務所がターゲットに
2003/04/28 21:12
週刊BCN 2003年04月28日vol.988掲載
業務ソフトメーカーが会計事務所との連動強化を狙っている。4月1日に社名をインテュイットから変更した弥生は、報道向けに実施した新体制の経営方針説明会で、社名変更後も「すでに発表している会計士向け製品『MARCHプロジェクト』については、従来からの方針に変更はない」(古賀早・執行役員MARCHプロジェクト担当)ことを強調した。(三浦優子●取材・文)
業務ソフトメーカーが会計事務所との連動強化を狙っている。4月1日に社名をインテュイットから変更した弥生は、報道向けに実施した新体制の経営方針説明会で、社名変更後も「すでに発表している会計士向け製品『MARCHプロジェクト』については、従来からの方針に変更はない」(古賀早・執行役員MARCHプロジェクト担当)ことを強調した。
オービックビジネスコンサルタント(OBC)は、新製品という形態ではないが、WAN(広域通信網)を使った会計事務所と顧問先の連動ソリューションなどを会計士に対して紹介するセミナーなどを実施。会計事務所側からのフィードバックを得て、さらにソリューションを強化していく作業を進めている。会計士が利用するITソリューションとして、最も一般的なのは会計専用機である。
弥生では、会計事務所マーケットに進出するにあたり、会計士を組織化したプログラム「弥生PAP」を展開しているが、ほかの業務ソフトメーカーに比べて「会員数はケタが1ケタ多い」と自信を見せながらも、「会計専用機メーカーに比べれば3分の1程度」と、依然として会計専用機市場が根強いことを認めている。
会計専用機メーカーはTKC、ミロク情報サービス、JDLといったところだが、ここ数年で会計専用機も大きく様変わりし、インターネットへの対応、オープン化が進んでいる。業務ソフトメーカーとしては、オープン、インターネット対応と同じ土俵に上ったことで、このタイミングで低価格、企業ユーザーを数多く獲得しているといった実績をもとに、会計事務所市場への参入を狙っているようだ。
しかし、会計事務所市場へ参入しようとする試み自体は、決して新しいものではない。会計事務所のIT化そのものも魅力あるマーケットだが、それと同時に、会計事務所は中小企業ユーザーとの接点が多く、影響力も大きい。それだけに、中小企業ユーザー市場を征することを狙うには、会計事務所への進出が重要だと考える企業が少なくない。実際、これまでにも何回か、会計事務所市場進出を狙った試みがあった。
だが、なかなか思うように進展していないというのがこれまでの現実だ。果たして、今回の業務ソフトメーカーの会計事務所市場開拓は上手く進んでいくのだろうか。業務ソフトメーカーは、「会計士業界にもパラダイムシフトが訪れている」と指摘する。かつて、自分の顧問先企業がパソコン会計ソフトを導入することに抵抗を示していた会計士も多かった。だが、会計士の世界にも世代交代が進んだこともあって、「パソコン会計ソフトの導入に異を唱える会計士は少なくなっている」という。
むしろ、「やる気のある会計士の中には、顧問先の企業をIT化し、自分の事務所とネットワークで結ぶことで、データの変化を見て経営アドバイスをするという方向を指向する人が増えてきている」という。確かに今後、電子申告がスタートすることなどを考えれば、会計事務所も変化の時期といえるかもしれない。ただ、これまでの経緯を考えると、簡単に市場が変わってしまうとは考えにくい面もある。それだけに、業務ソフトメーカーの試みが会計事務所側にどれだけ受け入れられるのか。会計士業界のパラダイムシフトの度合いを測るうえでも、見逃せない試みだ。
業務ソフトメーカーが会計事務所との連動強化を狙っている。4月1日に社名をインテュイットから変更した弥生は、報道向けに実施した新体制の経営方針説明会で、社名変更後も「すでに発表している会計士向け製品『MARCHプロジェクト』については、従来からの方針に変更はない」(古賀早・執行役員MARCHプロジェクト担当)ことを強調した。(三浦優子●取材・文)
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