その他
オンラインゲーム市場は拡大するか? 韓国では早くも頭打ちに
2003/07/21 15:00
週刊BCN 2003年07月21日vol.999掲載
「オンラインゲームがブロードバンド利用のキラーコンテンツになるのではないか」。そんな期待の声が出て久しい。ブロードバンド先進国、韓国でオンラインゲームの人気が高いこともあっての期待だが、本紙995号で既報の通り、韓国内のゲーム市場が飽和状態となっていることが明らかになった。そんな中、日本ではソフトバンクグループがゲームポータルサイト「ビービーゲームズ」を7月25日にオープンし、オンラインゲーム市場拡大を狙う。その試みは成功し、日本のオンラインゲーム市場に変化は起きるのだろうか。(三浦優子●取材/文)
ソフトバンクの「ビービーゲームズ」スタート
■「ゲームはすべてオンラインへ」
「ビービーゲームズ」は、孫正義氏率いるソフトバンクBBと、その弟、孫泰蔵氏率いるビー・ビー・サーブが運営するオンラインゲームポータルサイトだ。7月25日にオープンする。
発表時点で韓国のオンラインゲームメーカー80社・150タイトル、日本のオンラインゲームメーカー30社・50タイトルと基本合意。孫正義氏は、「ブロードバンドを楽しめるのはオンラインゲーム。今後のゲームはすべてオンラインゲームへと移行する」と強気な発言を行っている。
確かに、ソフトバンクBBとしては、ヤフーBBによってブロードバンド回線インフラは拡充したものの、その上のコンテンツや流通事業との相乗効果はまだまだ少ない。
ビービーゲームズがブロードバンド環境下でのパソコン活用の1つの答えだといえる。
だが、本紙955号で既報の通り、オンラインゲーム先進国の韓国では、市場は飽和状態。「現状のままでは市場規模がピークを迎える」(金正律・韓国ゲーム製作協会会長)と、ソフトメーカーの海外進出の支援を始めている。
オンラインゲームは月額課金制で、利用者が1-2か月で利用をやめると採算がとれない。そのため、いかに長時間プレイさせるか、メーカー側は工夫を凝らす。「ファイナルファンタジー Online」のようなMMORPG(多人数型オンラインロールプレイングゲーム)と呼ばれるゲームは、利用時間が長いほどプレイヤーが強くなる仕組みとなっている。
そのため、1人当たりがプレイできるソフトの数はパッケージよりもはるかに少なく、「同時に遊べるのは、マニアでも2本、3本が限界」とゲームソフトメーカーは指摘する。
人気ゲームに利用者が集中し、勝ち組と負け組が明らかになるのがオンラインゲームの特性だ。それだけに、韓国でソフトメーカーの海外進出を促す動きは当然の流れともいえる。
■まずは利用者の底上げから
オンラインゲームの普及が進んでいくことで、ソフトメーカーの優劣が明確になり、「メーカー再編が加速していくのではないか」と指摘するゲームソフトメーカー経営者もいる。オンラインゲームの普及はゲームソフトメーカーにはとっては、必ずしも喜ばしいとはいえない側面もある。
もっとも、ゲーム専用機よりもブロードバンドへの接続が容易という優位点があるうえ、ゲームを楽しむにはスペックの高いパソコンの方が優位なこともあり、「オンラインゲームが増えれば、パソコン販売店にはありがたい」と、あるパソコンショップでは歓迎している。
しかし、「熱中する人は熱中するものの、1回もプレイしたことがないという人も多い。とにかく1回プレイしてもらう仕組みが必要」(ゲーム販売店関係者)との声もある。まずは、利用者の底上げが必須だろう。
今回、ビービーゲームズでは、「利用者の裾野を拡大する」(孫泰蔵・ビー・ビー・サーブ社長)としている。これが実現すれば、パソコンショップにとっては大きなプラスとなる。
果たしてその通りになるのか。ビービーゲームズの行方は、ソフトバンクBBの流通事業にも影響を与えることになりそうだ。
「オンラインゲームがブロードバンド利用のキラーコンテンツになるのではないか」。そんな期待の声が出て久しい。ブロードバンド先進国、韓国でオンラインゲームの人気が高いこともあっての期待だが、本紙995号で既報の通り、韓国内のゲーム市場が飽和状態となっていることが明らかになった。そんな中、日本ではソフトバンクグループがゲームポータルサイト「ビービーゲームズ」を7月25日にオープンし、オンラインゲーム市場拡大を狙う。その試みは成功し、日本のオンラインゲーム市場に変化は起きるのだろうか。(三浦優子●取材/文)
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