中国のポータルサイトの急先鋒となっているトム・ドット・コム(TOM.COM、北京市)。20代の若きリーダー、王雷雷社長は、まさしく戦場ともいえる勝ち負けの世界で、40時間を超える会議や1分を争うスケジュールのなか、中国IT界のルーキーとして活躍している。
巨大市場・中国でナンバーワン目指す
―― モバイルコンテンツをどうお考えですか。 王 これまで主流だったSMS(ショートメッセージサービス)は、容量的に限界がありました。それからMMS(マルチメディア・メッセージングサービス)の時代になって、容量も十分でカラー化されたコンテンツが可能になりました。したがって、技術に頼るだけではなく、世界中のパートナーからコンテンツの収集が必要です。
例えば、スターの写真、好きな映画や音楽など、コンテンツをしっかりと作らなければなりません。
また、ノキアやモトローラ、中国の携帯電話メーカーの標準が異なるため、メーカーはトム・ドット・コムに依頼してコンテンツをつくります。私たちは、ユーザーが携帯電話の型番を入力して、それに適したコンテンツをユーザーに提供する仕組みを提供しています。“異なる仕様、異なるコンテンツ、異なるフォーマット”に共有可能なシステムの構築を目指しているのです。
――携帯電話市場はどのように変化しますか。 王 多くの国は第2世代から第3世代に切り替える計画ですが、中国移動(チャイナモバイル)は第2.5世代のサービスを採用することで、プロバイダが多くのコンテンツを第2.5世代の携帯電話に移行できるようにしています。このような戦略は第3世代へ一気に移行するのに比べて安全で、現在の資源を継承できるでしょう。
また、私たちは、中国移動や中国聯通(チャイナユニコム)がISP(インターネットサービスプロバイダ)と密接な協力関係を築くと感じています。
中国移動の月間使用料は、2000年は200元(約2800円)でしたが、02年では100元(約1400円)に下がりました。米国や日本、韓国のように通話収入は下がっていますが、毎日のデータサービスの接続収入は上昇しています。現在、中国移動のユーザーは2億3000万と見られています。中国はとても大きな市場と言えるでしょう。
中国の携帯電話ユーザーの利用額は02年で平均100元程度で、そのうちの5元がデータサービスでした。これは個人ユーザーのデータサービス消費額にも余裕があると言えます。
また、中国市場の流行は日本や韓国に1.5-2年遅れているので、私たちは日本の市場を見ながら戦略を構築できます。日本や韓国の新しい動きには、非常に関心があります。
日本の動向を観察するため、専門の翻訳会社に依頼し、定期的にITに関する最新の情報や、J-フォン、NTTドコモの情報などを作成させています。
私たちは今後、このような相互関係が発展し、中国のコンテンツを日本に紹介したいと考えています。