分野を特化せず柔軟に

当社の未来像は明確だ。毎年入社する優秀な新卒社員が定年退職するまでの約35年間、会社を存続させることである。長く続けるためには、得意分野を蕫固定﨟するのは危険で、ITの技術革新や市場動向に柔軟に適応することがポイント。
たとえば今、ERP(基幹業務システム)が売れているからといって、ERPばかりに特化するのはリスクが高い。5年後、10年後に果たしてERPが売れ筋かどうかといえば、可能性はそれほど高くないからだ。
“今の売れ筋”に特化すれば、営業利益率10%など簡単に達成できるだろう。しかし、こうした蕫美味しいところ取り﨟ばかりするのはよくない。利益率が低くても、顧客企業の役に立つかどうかが大切であり、利益率の高さばかり追っては長続きしない。
ハードウェアを製造するメーカーは、在庫圧力もあり、必死にハードを売り込もうとする。われわれ情報サービス事業者は、メーカーとは逆の視点でビジネスを組み立てるべき。プロダクト(製品)が先にあるのではなく、あまくでも顧客の要望に基づいた収益モデルである。
アジア各国のIT産業が伸長しているが、われわれの情報サービスは地域密着のサービス業であるため、海外勢にシェアを取られにくい。プロダクトをベースとしたメーカーであるならば、対策を取る必要があるだろう。
情報サービス業は、その時々の顧客需要にあった技術力、問題解決能力を柔軟に習得できるセンスが最も重要である。