その他
エッジ リンドウズ普及に躍起
2003/10/13 15:00
週刊BCN 2003年10月13日vol.1010掲載
エッジ(堀江貴文社長)がパソコンメーカーに対し、LinuxベースのOS「リンドウズ」の売り込みに力を入れている。次期バージョンの「リンドウズOS4.5」(仮称)を投入する今年11月末のタイミングで、国内主要パソコンメーカー20社に対する営業を強化。現在、リンドウズ搭載パソコンを製造しているメーカーは3社(9月末時点)だが、これを大幅に増やす。パソコンショップでのパッケージ販売はすでにピークを過ぎており、今後どれだけ多くのパソコンメーカーがリンドウズ搭載パソコンを製品化するかが、普及のカギを握っている。
ハードメーカーがカギ握る
熱烈なラブコールを送るエッジとは対象的に、パソコンメーカー各社は慎重な姿勢を崩さない。その背景には、リンドウズ搭載パソコンの動作不具合が起きれば顧客サポート費用がかさむことや、リンドウズ搭載が売上拡大につながるかどうか不透明なことがある。さらに、マイクロソフトへの遠慮もある。
アロシステムの大野三規社長は、「リンドウズ搭載パソコンの早期製品化は目指すが、まずはサポート体制の確立が先決」と語る。九十九電機の鈴木淳一社長も、「年内にもリンドウズ搭載機を出したいが、売れるかどうかはわからない。市場があるかを見極める必要がある」と、慎重な姿勢を示している。
一方、エムシージェイが「マウスコンピューター」ブランドでリンドウズ搭載パソコンを販売しているほか、マイクロソリューション(加賀電子グループ)やインバースネットが、「ノジマ」や「さくらや」などのショップブランドで、リンドウズ搭載機のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を手掛けている。9月末時点で、正式にリンドウズ搭載機の製造に踏み出したのはこの3社だけだ。
あるパソコンメーカー関係者は、「個人的にはリンドウズ搭載機の拡充を図りたい。だが、マイクロソフトとの付き合いもあるので、目立つ形で宣伝したくない」と、判断に迷っている様子。ソーテックの大邊創一社長も、「当社はリンドウズのノウハウを蓄積できていない。まずはリンドウズ技術者の養成から始める必要がある」と、リンドウズの搭載に必ずしも積極的な姿勢は見せていない。
発売元のエッジは、日本市場で起こりやすい不具合を修正項目に入れた新版「リンドウズOS4.5」を11月末に投入する予定で、動作をよりスムーズにすることを表明している。さらに、メーカーの商品を預かり、エッジ社内のラボで動作検証をすることや、メーカーへのOEM供給について低価格なライセンス料で何万台のパソコンにインストールできる戦略を打ち出すなど、メーカーからの支持取り付けに全力を注いでいる。
堀江社長は、「今は店頭でのパッケージ販売の比率が高いものの、パソコンメーカー各社がリンドウズ搭載機の製品化に踏み出せば、この比率は逆転する。来年前半には、企業が導入しやすいよう集中管理が可能なエンタープライズ向けリンドウズも製品化する」と事業拡大に燃えている。「個人と企業双方の市場でリンドウズは魅力的なパソコン商材になる。11月末に投入予定の新版以降、リンドウズ採用メーカーを増やし、最終的には20社以上を目指す」と自信を見せる。
メーカーにとっては、リンドウズの採用でOS費用が実質無料に近くなり、本体価格を安く抑えることができる。エッジは、リンドウズ用アプリケーションソフトのダウンロードサービスを年額9800円で販売しており、これが主な収益源となる。今後1年間で50万以上のリンドウズユーザーを獲得し、このうち約半分が同サービスを契約すると見ている。
「OS選択の自由度が高まれば、マイクロソフトの独占に対する勝利」というエッジの戦略がメーカーの心を動かせるかどうかに注目が集まっている。
エッジ(堀江貴文社長)がパソコンメーカーに対し、LinuxベースのOS「リンドウズ」の売り込みに力を入れている。次期バージョンの「リンドウズOS4.5」(仮称)を投入する今年11月末のタイミングで、国内主要パソコンメーカー20社に対する営業を強化。現在、リンドウズ搭載パソコンを製造しているメーカーは3社(9月末時点)だが、これを大幅に増やす。パソコンショップでのパッケージ販売はすでにピークを過ぎており、今後どれだけ多くのパソコンメーカーがリンドウズ搭載パソコンを製品化するかが、普及のカギを握っている。
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