その他
内田洋行、次世代スーパーカクテル開発急ぐ ビジネスモデルの変更も視野に
2003/10/20 21:12
週刊BCN 2003年10月20日vol.1011掲載
内田洋行(向井眞一社長)は、主力の統合型業務ソフトウェアライブラリ「スーパーカクテル」の刷新を進めている。早ければ年内にも方向性をまとめ、来年1月から次世代スーパーカクテルへの移行作業を始める。スーパーカクテルとは、内田洋行が開発したソフトウェアライブラリで、特に販売管理分野に多くの実績を持つ。一方で、まだ見えてこない次世代スーパーカクテルに、販売パートナーの中からは期待と焦りの声も聞こえてくる。(安藤章司●取材/文)
販売パートナーからは焦りの声も
■ソース公開の可否も検討課題
現在、検討作業の中心となっているのは、次世代スーパーカクテルのプラットフォームとビジネスモデルの2点。
プラットフォームは、開発環境を含めて「.NETフレームワーク」か「J2EE」(Java)かの選択を進めており、これにデータベースの選択も加わる。ただ、現実問題として内田洋行およびスーパーカクテルを代理販売するシステムインテグレータは、ウィンドウズの技術者の比率が多いことから、「.NETフレームワークへの移行が妥当な選択」(内田洋行)としている。
スーパーカクテル関連の売上高のうち、内田洋行による直販とパートナー販社による間接販売の比率は、ほぼ半々。スーパーカクテルのパートナー販社は全国に約200社ある。次世代版の方向性は、これら販社の意向も汲み取らなければならない。
実際、次世代スーパーカクテルの検討は昨年来続いているものの、「結論が先送りになっている」(関係者)部分もあるという。特にビジネスモデルについては、あらゆる可能性を含めて、再度練り直しているのが現状だ。
スーパーカクテルのビジネスモデルの特徴は、パートナー販社にスーパーカクテルのソースライブラリを公開し、カスタマイズ可能なパッケージソフトになっている点だ。
パートナー販社は、地域や顧客の特性に合わせてスーパーカクテルをカスタマイズし、それぞれの業種・業態に特化した形で納入している。これら業種ノウハウは、パートナー販社間で共有され、水平展開を進めている。
ただ、ソースコードレベルでのカスタマイズを行うと、同じパッケージで互換性が保てなくなるという欠点もある。このため、「次世代スーパーカクテルのエンジン部分のソースを公開するかどうかも検討課題の1つ」(内田洋行)としている。
■ユーザック会の中に厳しい意見も
スーパーカクテルの強みは全国の販売代理網にある。特に内田洋行独自の販売店網「全国USAC(ユーザック)会」は、地域ごとに研究会を開き、販売ノウハウの向上に努めている。
現在のユーザック会の会員はおよそ100事業所(2003年7月現在)。関東甲信越や近畿、中部北陸など全国6ブロックに分かれて研究会を続けている。同会は、もともとオフコン販売網として全国に広がったが、今の商材の中心はスーパーカクテルの販売に移行しており、それぞれの業種ノウハウを集約するという役割を果たしている。
会員の中からは、「次世代スーパーカクテルの開発スピードが遅すぎる。内田洋行だけで抱え込まず、われわれパートナー販社がコンソーシアムを組んで、開発に当たるべきではないか」と、期待と焦りが入り交じった厳しい意見も聞かれる。スーパーカクテルがユーザック会を中心としたパートナー販社に支えられている以上、何らかの形で販社の要望を次世代スーパーカクテルに盛り込む必要がある。
昨年度(03年7月期)実績で、内田洋行の情報関連事業の連結売上高は前年度比2.8%減の483億円にとどまった。利益幅は大幅に改善しているものの、事業規模そのものを再度拡大するには、次世代スーパーカクテルの早期投入が欠かせない。
内田洋行(向井眞一社長)は、主力の統合型業務ソフトウェアライブラリ「スーパーカクテル」の刷新を進めている。早ければ年内にも方向性をまとめ、来年1月から次世代スーパーカクテルへの移行作業を始める。スーパーカクテルとは、内田洋行が開発したソフトウェアライブラリで、特に販売管理分野に多くの実績を持つ。一方で、まだ見えてこない次世代スーパーカクテルに、販売パートナーの中からは期待と焦りの声も聞こえてくる。(安藤章司●取材/文)
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