その他
大塚商会、今年度過去最高の業績へ 戦略事業も大幅拡大基調に
2004/08/23 21:12
週刊BCN 2004年08月23日vol.1052掲載
大塚商会(大塚裕司社長)の業績が好調だ。このほど発表した今年度(2004年12月期)の6月中間決算は大幅な増収益となり、連結、単独ともに売上高、営業利益、経常利益、純利益で中間期として過去最高を更新した。好決算の理由について、大塚社長は「企業のIT投資が回復してきたことに加え、社内ではSPR(セールスプロセスリエンジニアリング)の効果が出てきた」と説明する。通期の業績予想についても全ての項目で過去最高になる見込み。これを受け、期末配当も前期末の1株20円から40円に増配を決めた。(川井直樹●取材/文)
企業のIT投資回復が追い風
■中間純利益は前年同期の約5倍
大塚商会の04年12月期中間連結決算は、売上高1968億6400万円(前年同期比10.0%増)、営業利益105億6100万円(同82.9%増)、経常利益105億5600万円(同83.7%増)、中間純利益は前年同期の約5倍となる84億1500万円となった。単独では売上高1818億4400万円(同10.7%増)、営業利益96億5400万円(同84.0%増)、経常利益97億7800万円(同85.2%増)、中間純利益70億7600万円(同340%増)。連結、単独ともに上場以来、中間期として最高の業績を達成。
7月22日に上方修正した連結売上高の通期予想は、これまで過去最高だった上場前の97年度の約3300億円を上回る3693億円(前年度比7.2%増)、営業利益は142億円(同54.0%増)、経常利益は141億1000万円(同55.8%増)、最終利益は約4倍の97億2000万円。単独の通期予想でも、売上高3402億円(同7.5%増)、営業利益128億3000万円(同52.3%増)、経常利益130億円(同54.0%増)、最終利益は約3.5倍の82億8000万円を見込んでいる。
今中間期の業績について大塚社長は、「1-6月の社内予算は全てクリアできた」とし、(1)2000年(Y2K)問題で導入したシステムのリプレース、(2)ブロードバンド環境の進展とセキュリティへの関心の高まり、(3)IT投資促進税制など政府のIT投資支援策──などによる需要の発生を理由に挙げた。
Y2K問題で導入したOSの陳腐化と最新バージョンへの移行が進んでいるとともに、申告や入札の電子化をはじめEC(電子商取引)が拡大していることが需要につながったわけだ。
■好業績を背景に独走態勢
こうした需要拡大の一方で、社内改革も業績の大幅アップに寄与した。
SPRによる効率的な営業展開だけでなく、複写機からコンピュータ、周辺機器やサービスまで含めた複合システム提案を活発に進めたことで、「顧客に対するワンストップソリューションを提供することができる」(大塚社長)戦略が一般化。複合提案で粗利率を改善できたという。
さらに、サプライ商品提供を目的にスタートした「たのめーる」事業も、提供商品の拡大により顧客開拓効果を発揮した。「たのめーる」を中核とするMRO(メンテナンス、リペア・アンド・オペレーション)事業は、今中間期の売上高で「たのめーる」218億3400万円(前年同期比43.0%増)と大幅に拡大し、MRO事業全体でも250億6000万円(同29.2%増)と3割アップした。
「深掘りすればニーズはある。人員を増やさなくても取れるニーズはある」(大塚社長)というわけだ。通期では525億円(同30.6%増)を見込んでいる。
このMRO事業以外に、大塚商会が重点戦略事業に掲げている事業分野はいずれも好調だ。ERP(統合基幹業務システム)「スマイル」事業の売上高は、前年同期比10.7%増の108億7700万円(通期予想208億円、前年度比8.3%増)、ODS21(大塚ドキュメントソリューション21・フォー・オープン・ナレッジ・オフィス)は同38.9%増の135億6000万円(同260億円、同39.9%増)、セキュリティは同47.0%増の44億円(同85億円、同35.5%増)と高い成長だ。
また、中間期のハードウェア販売台数も複写機1万6228台(前年同期比8.9%増)で、このうちカラー複写機については7757台と前年同期に比べ約1900台増えた。サーバーは1万3087台(同15.0%増)、パソコンも23万1941台(同12.7%増)と市場の成長を上回るレベルだ。
大塚社長は、今中間期での大幅業績アップでも「改善する余地はたくさんある。やりたいことはいろいろある」と意欲を見せている。IT景気が回復基調にあるなかで、「他社に比べ、倍以上のスピードで走っていく」と、好業績を背景に独走態勢を固めていく考えだ。
大塚商会(大塚裕司社長)の業績が好調だ。このほど発表した今年度(2004年12月期)の6月中間決算は大幅な増収益となり、連結、単独ともに売上高、営業利益、経常利益、純利益で中間期として過去最高を更新した。好決算の理由について、大塚社長は「企業のIT投資が回復してきたことに加え、社内ではSPR(セールスプロセスリエンジニアリング)の効果が出てきた」と説明する。通期の業績予想についても全ての項目で過去最高になる見込み。これを受け、期末配当も前期末の1株20円から40円に増配を決めた。(川井直樹●取材/文)
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