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「日本橋まちづくり振興」が本格始動 活性化に向けたプランを作成
2004/09/06 15:00
週刊BCN 2004年09月06日vol.1054掲載
大阪のでんでんタウン協栄会と日本橋筋商店街振興組合が中心となり、法人として2003年5月26日に設立した「日本橋まちづくり振興」が今年から電気街復権に向けた本格的な活動を開始した。大阪・日本橋地区では、ヨドバシカメラやヤマダ電機など関東勢の大手量販店の出店や不況の影響で、電気街「でんでんタウン」の集客減や家電取扱店舗の閉鎖、商業テナントビルの取り壊しなどが相次いでいる。こうした状況を食い止めるため、日本橋まちづくり振興では新しい業態を取り入れることで集客力をつけ、パソコン専門店や家電量販店が独自商品を武器に、競合する大型店と差別化を図るための活動に乗り出そうとしている。(佐相彰彦●取材/文)
でんでんタウンの復活なるか!?
■観光事業やテーマパーク化を進める
日本橋まちづくり振興の昨年の主な活動は、日本橋地区の活性化のために、具体的にどのような活動を実施するべきかを議論することからスタートした。
まず、「まちづくりビジョン委員会」を設置し、(1)日本橋の知名度を生かした観光事業、(2)地域のインフォメーション事業、(3)街全体をテーマパーク化するための企画および運営、(4)家電王国大阪の電気博物館の運営、(5)ひとづくり、ものづくりにふさわしい電子工作教室の運営を受託した専門学校などの誘致、(6)インターネット通販とインターネット・オークションの受託、(7)近隣商店街、連合町会との共同事業の企画、運営──などが検討テーマに上った。
日本橋地区全体の活性化という大がかりなプロジェクトだけに、今年に入ってからも議論が続けられている。まだ具体的な成果はないものの、委員会で話し合ったテーマをベースに活性化に向けた活動が徐々に出始めてきた。
今年6月に社長に就任した芦邊康徳氏(アシベ電機社長)は、「まずは(各店舗の)コスト削減を図ることが必要」と判断し、就任後すぐに各店舗の配送サービスを統一。日本郵政公社との提携で一括配送によるコスト削減を実現した。
集客アップにつなげる方法については、「観光事業」と「街全体のテーマパーク化」が進みつつある。観光事業については、「日本橋地区には、韓国や中国、台湾などからの観光者が多いので、格安の“日本橋地区観光ツアー”企画を旅行会社と詰めている」という。観光事業が実現することで、次のステップである街全体のテーマパーク化は、「ビル1棟、もしくはビルの空室を利用し、韓国や中国、台湾の人を雇って各地の料理の屋台を出す」という計画をビルの経営者に持ちかけている。
■独自商品武器に差別化を
「ひとづくり、ものづくりにふさわしい電子工作教室の運営を受託した専門学校の誘致」については、具体的なアクションを起こしていないものの、芦邊社長には、「ソフトウェアを開発するベンチャー企業に安い賃料で空室を貸し、そのベンチャー企業が開発したソフトをパソコン専門店や家電量販店にデモコーナーを設けて販売する」という腹案がある。IT関連商品に直結する技術開発で、「でんでんタウンならではの商品を販売することにつながるのではないか」という。
実際、アシベ電機では、建築デザイナーとの共同開発により、家具にテレビを埋め込んだオリジナル家具を販売している。リフォームブームもあって、家の新築や改装を行う消費者の興味を集めているようだ。アシベ電機の本社があるビルの1部分を、建築デザイナーにアトリエとして提供しているという。
でんでんタウンは、梅田地区に店舗を置くヨドバシカメラの「マルチメディア梅田」に客足を奪われているために厳しい状況が続いている。来年には、難波地区にヤマダ電機が大型店舗をオープンするため、ますます苦戦を強いられることになる。独自の商品を持つことは、進出してくる競合店と差別化を図るにはうってつけ。日本橋まちづくり振興の活動に加え、でんでんタウンがパソコンユーザーを集める街に復活すれば、低迷気味の大阪・日本橋地区全体の活性化につながる。
大阪のでんでんタウン協栄会と日本橋筋商店街振興組合が中心となり、法人として2003年5月26日に設立した「日本橋まちづくり振興」が今年から電気街復権に向けた本格的な活動を開始した。大阪・日本橋地区では、ヨドバシカメラやヤマダ電機など関東勢の大手量販店の出店や不況の影響で、電気街「でんでんタウン」の集客減や家電取扱店舗の閉鎖、商業テナントビルの取り壊しなどが相次いでいる。こうした状況を食い止めるため、日本橋まちづくり振興では新しい業態を取り入れることで集客力をつけ、パソコン専門店や家電量販店が独自商品を武器に、競合する大型店と差別化を図るための活動に乗り出そうとしている。(佐相彰彦●取材/文)
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