その他
ウィルコム、音声通話を定額制へ PHS“復権”の起爆剤になるか!?
2005/03/28 21:12
週刊BCN 2005年03月28日vol.1082掲載
ウィルコム(八剱洋一郎社長)は、定額制のPHS(簡易型携帯電話)音声通話サービス「ウィルコム定額プラン」を5月1日から開始する。データ通信の定額制は従来からあるが、音声通話の定額制は携帯電話を含め国内移動体通信では初めて。1995年に商用サービスが始まったPHSだが、その後、携帯電話の勢いに押されて音声通話の加入者は減少を余儀なくされてきた。NTTドコモが4月30日でPHSサービスの新規申し込みの受付を終了し、事業からの撤退を模索し始めるなか、逆にウィルコムはPHSの“復権”をかけ本格的な巻き返しに打って出た。(佐相彰彦●取材/文)
目標は2年以内に100万人増
■月額2900円でかけ放題
ウィルコムが5月1日から提供を始める音声通話の定額制サービスは、基本料金が月額2900円、2台目以降は同2200円という低料金に設定。月額基本料金を払えば、ウィルコム端末同士の通話は無料のほか、メールの送受信もタダになる。また、携帯電話への通話料金は、30秒あたり21円だったのを同13.125円に値下げする。3月16日-4月末日までに新規加入したユーザーには、1回線あたり最大5000円のキャッシュバックキャペーンも実施する。7月には、インターネットへの接続サービスを月額2200円で提供することも予定している。
コンシューマ市場では、家族やカップル、シルバー世代など幅広い層から顧客を獲得していきたい考え。法人市場では、屋内外ともに利用できる内線システムとしての利便性、低コスト性をアピールして導入を促していく。
ウィルコムの音声通話の加入者数は3月中旬時点で約140万人で、「減少傾向をたどっている」(八剱社長)という。加入者減をくい止めるには、「インパクトのあるサービス体系を出さなければならない」(同)と判断。今回の定額制導入で巻き返しに転じ、“PHSファン”の拡大につなげようという狙いだ。八剱社長は、「定額制で(当面は)数十万人を獲得できる」と自信をみせており、「できれば2年以内に100万人は増やしたい」と意欲的だ。
■投資額は04年度以上に
PHSは10年前のサービス開始当初、インフラの整備不足から「つながりにくい」といった苦情が多く寄せられ、また「簡易型」という呼称が「安っぽい」というイメージにつながり、流行に敏感な若者らが携帯電話に流れていった。だが、PHSは携帯電話に比べ「音声の品質が良い」、「料金が安い」、「データ通信速度が速い」といった理由から、いまだ根強いファンを抱えている。特にITや通信の事情に詳しい人ほどPHS支持派が多いといわれる。ウィルコムでは、定額制サービスを起爆剤にPHSの良さを再認識してもらい、復権への足掛かりにしていく。
定額制サービスは、1つの基地局に多数のユーザーが集中しないよう、多数の基地局がエリアをカバーしユーザーを分散するネットワーク技術「マイクロセル方式」の採用で可能になった。電波の割り振りにひっ迫状況が生じず、さらに光ファイバーによる独自のIPバックボーン「ITX」の構築でNTTに支払うアクセスチャージ(接続料)が抑えられる見通しになったという。
八剱社長は、「基地局に関しては、すでに16万局のネットワークを構築しており、さらに増やしていく。05年度には人口カバー率を現時点の97%から99%まで引き上げる」方針。しかも、1基地局あたりのチャンネル数の拡大も計画。現在、設置されている基地局の多くは1基地局あたり3チャンネルだが、10チャンネルまで対応できる最新の基地局に置き換えを進める。
インフラ部分の投資額は、05年度に基地局で100億円、ITX関連で60億円、その他で120億円。「04年度よりも投資額は増える」(八剱社長)という。
だが、課題も残る。現実は、定額制サービスの基盤部分を支えるITXが「サービス開始時点では、まだ構築するには至らない。今年夏からITXの設置を本格化し、来年末にはほぼ完了する」見通しにある。つまり、現在バックボーンとして利用しているNTTのISDNネットワークへの依存は、ITXが本格稼働してくるまでなおも続くわけだ。NTTのアクセスチャージは通話時間に応じて課金される従量制になっており、この結果、PHSの定額制利用者が急増すれば、その分、NTTへの支払いが嵩んでくることになる。
八剱社長は、「スタート時のリスクは織り込み済み」と説明するものの、定額制利用者が急激に増えることは、当面のウィルコムにとっては痛し痒しの状況を強いられる。こうしたリスクをバランス良く回避しながら、PHSのメリットを上手くアピールできれば、PHSの復権も夢ではないだろう。音声通話定額制が今後浸透してくるようになれば、携帯電話各社も料金プランの見直しを迫られることになる。
ウィルコム(八剱洋一郎社長)は、定額制のPHS(簡易型携帯電話)音声通話サービス「ウィルコム定額プラン」を5月1日から開始する。データ通信の定額制は従来からあるが、音声通話の定額制は携帯電話を含め国内移動体通信では初めて。1995年に商用サービスが始まったPHSだが、その後、携帯電話の勢いに押されて音声通話の加入者は減少を余儀なくされてきた。NTTドコモが4月30日でPHSサービスの新規申し込みの受付を終了し、事業からの撤退を模索し始めるなか、逆にウィルコムはPHSの“復権”をかけ本格的な巻き返しに打って出た。(佐相彰彦●取材/文)
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