その他
コンプライアンス重視でオフィスのスキャナ需要が急伸
2006/04/17 14:53
週刊BCN 2006年04月17日vol.1134掲載
情報漏えいを防止するために、紙文書をスキャンして電子データ化する動きが活発化している。事務機メーカーは今年に入り、相次ぎスキャナ関連機器を出荷開始するなど、企業ユーザーのスキャンニーズを取り込もうとしのぎを削っている。金融や医療などで利用が進んでいた高価格機ではなく、5万円から30万円前後の低価格スキャナ単体機の売れ行きが好調。スキャナ市場は今年、30%増の高成長を予測する声もある。スキャナ機能を搭載した小型MFPにとっても追い風だ。「日本版SOX法」の施行などを控え、内部統制強化に取り組む企業ユーザーに対して、スキャナを含めたドキュメント管理の提案が重要になりそうだ。
文書の電子データ化が必須に 「勝手に売れてしまう」──キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)の松井昭・IMS商品企画課チーフは、5万円前後のビジネス用スキャナ単体機の売れ行きに驚きを隠さない。急速な伸びが特に目立ってきたのは1年ほど前からだ。それまでは、金融や医療、帳票類を管理する部門など、特定分野の業務にスキャナが浸透していた。しかし、最近は「営業部門などでも、紙文書を即電子化する傾向にある」(松井チーフ)。「個人情報保護法」の施行や、固定机を配置しない「フリーアドレス」のオフィスが増え、部門別の「島」単位でスキャンニーズが増えたという。 キヤノンMJでは今年、エントリモデルの低価格スキャナの提案から顧客に入り込み、最終的に主力の高価格スキャナ「DR-5010C」(標準価格59万8000円)の導入に結びつく提案を強化していく方針。同社によれば、「ビジネス用スキャナは今年、前年比130%を予測しているが、低価格のスキャナだけを見れば、200%成長は確実」(松井チーフ)という勢いだ。 プリンタベースの小型MFP(デジタル複合機)などを出すプリンタメーカーも、スキャンニーズの増大に注目し始めた。沖データは1月から、「優れたスキャン性能」を売りにした高速A4カラー複合機「C5510 MFP」の出荷を開始。オフィスの紙情報を素早く電子化し、サーバーやパソコンにダイレクトで送信する機能「Scan to E-mail」などを搭載した。 「文書をスキャンして電子データで管理するニーズは、『日本版SOX法』などを見据え、確実に高まる」(末本輝之・国内営業本部プリンティング・ソリューション推進部第一課課長)と、期待を膨らます。 富士ゼロックスプリンティングシステムズ(FXPS)は昨年12月、同社初のスキャナ単体機「Docu Scan」シリーズの出荷を開始した。「e-文書法」施行などでビジネス文書の電子化ニーズが高まり、これに応える形で製品化。同機は、標準装備の自動両面原稿送り装置で、最高毎分10ページ(カラー)/14ページ(モノクロ)を両面スキャンできる。小型MFPの給紙部分を省き、上層部の操作機能だけを切り出した低価格製品(A3対応機で29万8000円)で、業界に衝撃を与えた。 「こうした思い切った商品企画は、FXPSが、(富士ゼロックスから)分社化していなければ出せなかった」(関係者)と、ビジネス環境の変化に合わせた戦略商品であることを強調する。 FXPSがスキャナ機を出したことに驚いたのは、エプソン販売。同社のA3対応カラー複合機「LP-M5500」(29万8000円)が、部門単位の「島」に導入する機種として、これと競合するためだ。「LP-M5500」は、タワー型で、FXPSのデスクトップ型とは異なる。「当社の機種は、文書管理など、多くの業種アプリケーションを導入することで対抗していく」(織戸司郎・商品企画部部長)と、エプソン販売もスキャンニーズに応えるべく対策を打とうとしている。 最近は、パソコン環境が高速化し、電子データを保存するストレージも低価格で大容量になり、紙文書をスキャンした電子データを容易に保存できる環境ができている。また、ここ1、2年は、紙文書の持ち出しによる情報漏えい事件が頻発し、企業が紙文書に対する管理を強化していることも、スキャナ需要の拡大を後押ししている。事務機業界では、カラーレーザー機とMFP機の棲み分けが難しくなっている。プリンタメーカーにとっては、スキャナを売り出すことで、MFP機に集約が進む傾向に歯止めをかけられそうだ。
情報漏えいを防止するために、紙文書をスキャンして電子データ化する動きが活発化している。事務機メーカーは今年に入り、相次ぎスキャナ関連機器を出荷開始するなど、企業ユーザーのスキャンニーズを取り込もうとしのぎを削っている。金融や医療などで利用が進んでいた高価格機ではなく、5万円から30万円前後の低価格スキャナ単体機の売れ行きが好調。スキャナ市場は今年、30%増の高成長を予測する声もある。スキャナ機能を搭載した小型MFPにとっても追い風だ。「日本版SOX法」の施行などを控え、内部統制強化に取り組む企業ユーザーに対して、スキャナを含めたドキュメント管理の提案が重要になりそうだ。
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