世界90か国で300以上のIT関連情報紙・誌を発行、400以上のウェブサイトでIT関連情報を提供し、また世界各地でIT関連のイベント・展示会を展開しているIT情報のリーディング・プロバイダ IDG(本社:米国マサチューセッツ州)のパトリック J.マクガバン会長は、BCN・奥田喜久男主幹の単独インタビューに応じた。(構成:谷口一)
友人関係をつくり、敬意を表することに尽きる
──今、IDGは世界90か国でビジネスを展開していて、とくに中国での伸びがすごいようですね。  |
パトリック J. マクガバン 会長 |
マクガバン 売り上げで、中国はアメリカに次ぐ市場です。60の出版物、35のウェブサイトを展開しています。中国市場は年15%の伸び率を示しており、5年で2倍、10年後の2020年には今の4倍に成長します。その時点で、中国市場はアメリカの20%ほど上に位置することになります。
──1979年に歴史的な米中国交が樹立され、翌80年には早くも中国進出を果たしたマクガバン会長の先見性とその後のビジネスの成功は、30年後の今日、改めてその判断の鋭さを世界に見せつけています。ここで改めて、中国ビジネスを成功させる秘訣を披露してください。
マクガバン 何はともあれ、個人的に友人関係をつくって、相手に敬意を表することに尽きます。それが非常に重要です。日本は中国との間に思い出したくない過去の出来事がありますが、中国では新しい世代がどんどん台頭してきています。手紙を送ったり、メールを送ったりして個人的な信頼関係を築いていけば、必ずスムーズなビジネス関係が生まれてきます。
──敬意を表する、ですか。人づき合いの基本ですね。何かそこにマクガバン会長とIDGの成功の秘密を感じます。今後はどういう方向にビジネス展開していくのでしょうか。
マクガバン オンラインビジネスの比率がますます高まっていきます。紙や印刷のリスクがないですから、収益率も上がります。モバイル・タブレットやPC、スクリーンなどオンラインでのビジネスが拡大していきます。今、90か国でビジネスを展開していますが、この10年で50か国プラスして、140か国での展開を考えています。また、事業を拡大するための「lead generation Business(見込み客獲得のためのビジネス)」にも力を入れていきたいと思っています。