その他
外国人観光客がWi-Fi環境の整備を促す アクセスポイントの提案が商機につながる
2012/12/06 14:53
週刊BCN 2012年12月03日vol.1459掲載
日本は、パソコンやスマートフォンから無料でインターネットにアクセスすることができるWi-Fi環境の整備が遅れているとよくいわれる。
ウェブで「日本」と「Wi-Fi」のキーワードを入れて探してみると、海外旅行者がヨーロッパや米国と日本のWi-Fi環境について語る記事が上位に表示される。それらの記事によると、海外の多くの国では、駅や空港、喫茶店などのあらゆる場所で問題なく無料のウェブアクセスができる環境が整っていることがわかる。それに対して日本では、無料Wi-Fiスポットの数が少なく、しかもデータ通信の速度も遅いということが記述されている。BCNが11月に都内の会議場で開いたイベントのアンケートでも、「会場内のウェブ環境が悪い」というコメントが数多く寄せられていた。これらの事例からすると、日本では、通信事業者が高速データ通信を実現する次世代通信方式であるLTEに力を入れていることもあって、海外ほどWi-Fi環境が整っていないのが現状のようだ。
しかし、日本でもWi-Fi環境を改善しようという動きが始まっている。その機動力となっているのは、観光産業の活性化を目指して、アジア諸国をはじめとする外国人観光客を日本に誘致する各県の施策だ。
例えば山梨県は、今年1月、県内1000か所を目標にWi-Fi環境の整備を進める「やまなしFree Wi-Fiプロジェクト」をスタートした。NTTデータと東日本電信電話(NTT東日本)がプロジェクトに参画し、地元の店舗や施設と協力して、11月22日からWi-Fiスポットで外国人観光客向け「クーポンカタログ」や「お土産購入ECサイト」などのサービスを提供する実験を行っている。
NTTデータによると、日本を訪れる外国人観光客の7割が個人旅行者だという。彼らの多くは、スマートフォンやタブレットを使い、インターネット経由で現地の観光情報を収集したり、SNSを通じて旅行記を発信したいと思っている。そうしたニーズに対応するために、Wi-Fi環境の整備は不可欠だ。
中国やタイ、シンガポールなどアジア諸国で、富裕層や中間層の人口が速いスピードで増えている。購買力の高い彼らを日本に誘致することは、観光産業を経済の柱とする日本の地域にとって大きなチャンスとなる。これは、システムインテグレータ(SIer)やIT販社にとっても、決して無縁の話ではない。外国人観光客は、迅速にウェブが利用できるWi-Fi環境をあたりまえのように求めている。そのため、彼らを受け入れるホテルや旅館、レストラン、会議場は、アクセスポイントをはじめとする通信機器を導入する必要がある。地域を訪れる観光客の国際化が、Wi-Fiの普及を促している。(ゼンフ ミシャ)
日本は、パソコンやスマートフォンから無料でインターネットにアクセスすることができるWi-Fi環境の整備が遅れているとよくいわれる。
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