物流ソリューションを提供するGROUNDは8月2日、AIを活用して物流施設の統合管理・最適化するパッケージシステム「GWES」を発売した。同社はこれまで直販を行ってきたが、GWESの提供に伴いリセラー経由での販売を本格的に開始。最初のパートナーとして日本ユニシスと契約を結んだことも発表した。3年後の売上目標を20億円に設定し、引き続きパートナー開拓を進め拡販に注力していく。
GWESは2020年9月に発売したAI物流ソフトウェア「DyAS」を機能拡充したパッケージシステム。ミドルウェアとなる共通データ基盤と「物流施設の可視化・分析」「業務自動化・リソース最適化」「物流施設内ハードウェア・ソフトウェアの統合管理」「物流施設内地図のデジタル化」の四つの役割に対して、七つのモジュールで構成する。
例えば、物流施設の可視化・分析では、業務進捗管理モジュール「Progress Analyzer」、作業量分析モジュール「Workload Analyzer」、在庫分析モジュール「Inventory Analyzer」の三つが用意されており、物流施設内の効率化や生産性向上を図ることができるとしている。
山口春奈 本部長
ソリューション営業本部の山口春奈・本部長は「近年はECの発達に伴い、荷物の数が急増している一方で、物流施設で働く人の数は減少している。将来を見据えて物流施設もデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組み業務を改善していく必要が迫られている」とし、「DXを推進するための手段としてGWESの有用性をアピールしていく」と意気込む。
また、GWESは物流施設で導入されているさまざまなハードウェア(マテハン・ロボット)やソフトウェアとの連携もできるという。「既存システムのデータをGWES標準データの変換することでシステム間のデータ入出力が容易になったり、ハードウェアのリソースを最適化することが可能だ」(山口本部長)と話す。
同社はこれまで直販をメインに営業活動を行ってきたが、間接販売にも注力していく。最初のパートナーとなった日本ユニシスについては「6月に物流エコシステムの構築を目的とした資本業務提携で合意しており、そうした関係から販売パートナー契約に至った。同社の幅広いネットワークを通じて、GWESを展開していく」(山口本部長)という。
今後も販売パートナーの拡充を進めていく。山口本部長は「現在、パートナープログラムの整備などに着手している。物流システムを扱ったことのない企業でも販売できるように、当社がこれまでに培ったノウハウを生かしたサポート体制を構築する。国内には多くの物流施設が点在しているため、全国をカバーできる販売網を作り上げたい」と目標を語った。(岩田晃久)