「優れたビジネスモデルをもつ起業家が優秀な経営者とは限らない。その起業家に対して、経営全般にわたる支援を行うことが重要」
ベンチャーコントロールを率いる田中美孝代表取締役の理論は明快だ。
起業家を志す人材をベンチャーコントロールの社員として迎え入れ、その社員が提案したプランを事業化するための投資を行う。独自のコーチング手法「マネジメント・コーチング・プログラム」で、起業家になるためのメンタルケアもサポートする。
田中氏は16歳で輸入事業を手がけ、ビジネスの楽しさを覚えた。その後、事業家であった父親が経営する飲食店チェーンに入社し、常務まで昇格するが、父親と経営方針が合わず退社。次に、熱帯魚を水槽ごとリースする事業を立ち上げ、そこで得た資金を元手にベンチャーコントロールを設立する。
「成功あり失敗ありの波乱万丈な人生だった」
田中氏は現在32歳。「10代と20代は無我夢中に攻めた。30代は今までの経験を生かして緻密な戦略で攻める」と意気込む。
当面は、ベンチャーコントロールを04年3月期までに上場し、ベンチャー支援ビジネスのデファクトスタンダードを目指す。「将来は、資本主義での生き方を学ばせる学校をつくりたい」と、教育過程から起業家を育成することが夢だ。
プロフィール
田中 美孝(たなか よしたか)1969年5月、東京都生まれ。16歳で輸入ビジネスを始める。その後、父親が経営する飲食店チェーンに入社。後に常務として経営の一角を担うが退社。熱帯魚の水槽リース事業を手がける。96年4月22日にベンチャーコントロールを設立し、代表取締役に就任。