「専業主婦は、働くことのリスクや悩みをもっている。それを解消してあげたい」石井美鈴さんが代表取締役を務めるエヌ・シー・エー・コンサルティングは、主婦を中心とする在宅ワーカーを育成し、パソコン関連業務のアウトソーシングを手がける。在宅ワーカーの登録数は2300人を超える。石井さんは、大学在学中に結婚。社会人として働くことなく専業主婦になる。
「早く結婚して専業主婦になりたかったから」だが、「専業主婦として家に閉じこもる生活で、孤独や苦痛を覚えるようになった」という。閉塞感を打ち破るため、アルバイトを始めた。その後、亭主関白の夫と折りが合わず離婚したが、次第に働く楽しさを覚え、98年に同社を設立する。創業時に手がけた事業は、ワープロやパソコンの販売。すると、パソコンを購入した主婦から、「パソコンが使えるようになったから、仕事はないか」という声が増えた。その主婦達を集めて、「何かビジネスができるのでは」と考えたのが、今のビジネスの始まり。「主婦が楽しく働ける器を作りたい」それは、石井さん自身が「楽しく働ける」ことでもある。
プロフィール
(いしい みすず)1968年、長崎生まれ。高知女子大学家政学部在学中に結婚、出産。主婦の傍らアルバイトを始め、コンサルティング会社では営業部係長および社内人材育成の業務に従事する。98年に、エヌ・シー・エー・コンサルティングを設立。主婦をネットワーク化し、パソコン関連業務のアウトソーシングを営む。