エムシージェイの高島勇二さんがパソコン事業を手がけたのは、3000万円の借金を抱える衣料販売の有限会社を祖父から引き継いだのがきっかけ。「借金を返すため、とにかく何でもやった。パソコンを使って車の仲介事業をやっているうちに、パソコン販売がビジネスになるのではないかと考えた」社名も、「マウスコンピューター株式会社」と改名し、新しいスタートを切った。BTOパソコンの販売に特化したのは、「パソコン本体を仕入れる資金がなかったため」(笑)。
「顧客が『買って本当に良かった』と実感する製品を販売したかった」という。パソコン事業が当たり、起業から3年で借金を全額返済。昨年度の売上高は40億円弱。今、60-70億円規模を狙う企業にまで成長した。「今は、どのメーカーのパソコンも品質面で大差がない。単にパソコンを販売するのではなく、顧客にマネジメントを販売していくことが重要だ」高島さんのコンセプトは、「ジャパンPCルネサンス」。「国内のパソコン市場は、決してよい状況とはいえない。パソコンは米国発の製品だが、日本のメーカーが頑張らなければならない。大和魂で国内パソコン市場を盛り上げていきたい」
プロフィール
高島 勇二
(たかしま ゆうじ)1974年、埼玉県春日部市生まれ。祖父が経営する衣料販売の有限会社を引き継ぎ、93年に「マウスコンピュータージャパン」としてパソコン事業を開始。98年8月、「エムシージェイ」を設立。01年4月にマウスコンピュータージャパンとエムシージェイを合併。BTOパソコン「マウスコンピューター」ブランドに加えて、02年5月、法人向けのパソコン「ヤマト」ブランドを立ち上げる。