97年に起業して5年間、ほかのウェブ制作会社が投げてしまうような仕事を率先して引き受けることで成長してきた。「納期が短く、価格条件が悪い仕事でも、きちんと納品できたときは、徹夜した疲れを忘れるほどうれしい」仲間8人で年商は1億円弱。決して大きな会社ではない。でも、夢はある。
「このアトリエから、スポーツ界のスター選手のようなカリスマデザイナーを生み出し、指名で注文が来る仕事がしたい。本来、デザインの世界は代用がきかない一品モノであるべき。まだ若いデザイナーばかりだが、ウチでしかできない仕事がきっとある」曽我さんは、もともとはデザイナーだった。「営業して仕事を獲ってくるうちに、自分でやるよりも若いデザイナーを育てる方が楽しくなった」
米国西海岸のウェブデザイン会社と提携し、デザイナーの交換を企画したり、デザイナーを英国へ留学にやったりと、人を育てる方法をいろいろと模索する。「今は、20歳前後の若手の才能をどうしたら引き出せるかと、日々悩むばかり。でも、私が50歳になったとき、今の私くらいの年代の人にチャンスを与えられるよう、私自身も成長したい。仕事は長時間で辛いけれど、ただ、そういう若い人を育てていくのは楽しいことです」
プロフィール
(そが きよみ)1969年、東京都生まれ。93年、武蔵野美術大学卒業。ディスプレーデザイン、CD-ROM制作などの仕事を経て、97年、起業。ウェブの企画、制作、プロモーションから携帯電話コンテンツ、グラフィック全般まで幅広くこなす。