昨年12月25日、マザーズに株式上場したアイ・ビー・イーは、もともとダイナウェアの映像事業としてスタートしたが、事業拡大にともない分社・独立。設立と同時に世の中がブロードバンドブームとなるなど、時を得て好調にビジネスを続けてきた。CTOである竹松昇取締役は、ダイナウェア時代から開発担当として数々の製品作りに携わり、はや19年となった。
「アラン・ケイの書いたダイナブックがやはり自分の原点。原点に立ち戻ると、まだまだ実現していない部分もたくさん残っている」CTOとしてやるべきことはまだ多いと振り返る。ずっと開発に携わってきた。「自分がやりたいことをやらせてもらっているから、飽きることは全然ない」今後も開発の最前線で仕事をしていくことにこだわる。
同社の強みである映像のデジタル化の現状を、「映像業界は事務面のIT化は進んだものの、制作現場のIT化はまだこれから。デジタル化されたノンリニア編集機もワープロ専用機同様、スタンドアロンを前提に作られているため、ネットワーク化はこれから始まる」と、今後ビジネスが拡大していく分野だと冷静に分析する。今回の株式上場は、あくまでも通過点のひとつ。映像のIT化という新領域に取り組む。
プロフィール
竹松 昇
(たけまつ のぼる)1961年10月3日生まれ。大阪府出身。84年3月、大阪大学基礎工学部生物工学科卒業。同年4月、株式会社ダイナウェア設立に参画。同社取締役。独自ウィンドウシステム、OAソフトなどを開発。92年、MPEG応用技術の開発を開始。95年、Video CD-ROM for Windowsガイドライン策定。97年、民放連技術部門優秀賞。99年7月、株式会社アイ・ビー・イー取締役。技術開発を担当。