「ソフトウェア開発で最も重要なのは、初心者が簡単に使いこなし、なおかつソフト本来の目的を実現できる製品に仕上げること」
これが、メガソフトの技術本部リーダー・津田格さんのコンセプトだ。
リーダーとして部下を指導する傍ら、自分自身が開発者としてソフトを開発することもある。「スポーツにたとえるなら、『審判』と『選手』の両方を担当しているようなもの」と比喩する。
「審判」の立場では、製品テストの際、表示してある文言の隅々まで目を通し、よくなければストレートに忠告する。そのため、「部下がつむじを曲げてしまう」こともしばしばあるという。
だが、厳しく問い質すのは、「納得がいく製品に仕上げる」ためだ。自分自身が「選手」の立場でも厳しい姿勢を崩さない。ある同社関係者は、「開発している時は、一生懸命で、なおかつ一心不乱に取り組んでいる」と評価する。
BCNランキングによると、同社は2002年通年においてグラフィックスソフトの販売本数シェアが15.5%となり、年間トップシェアを獲得した。今年に入ってからも、1月が18.0%、2月が17.2%とトップを維持し続けている。
今後も、「シェアを拡大していく」ために、製品開発に妥協を許さない。
プロフィール
津田 格
(つだ いたる)1966年、兵庫県生まれ。京都大学医学部に入学、精神科医になることを目指すが中途退学。その後、幼少の頃から興味をもっていたコンピュータの道に進むことを決意。建築に関する各種ソフトウェアを開発するエシェンツ・ジャパンに入社し、CADソフトなどの開発者として従事する。98年6月、メガソフトに入社。現在は、技術本部リーダーとして、同社の製品開発における多くのプロジェクトに携わる。