「(日本法人の)石井(幹)社長から、あなたは声が大きい。日本法人のスタッフ以上の存在感があるって言われるんですよ。あれは褒め言葉かしら」と笑うのは、米アドビシステムズの中川葉子・デジタルイメージングシニアプロダクトマネージャー。 米国のアドビ本社では、フォトショップに関して日本法人からのリクエストを受けて商品に反映するという、日本法人と米本社の“橋渡し役”を担う。
年に数回訪れる日本のオフィスで彼女の存在は大きい。石井社長から「日本法人のスタッフにしか見えない」と感嘆(?)の声があがるほどだ。
米本社には、「米国人ながら、日本の状況を熟知した開発スタッフが揃っている」という。しかし、いかに優秀なスタッフがいても、「たとえば、携帯電話で写真を撮るといった日本にしかないニーズがある」のである。日本のユーザーにとってフォトショップが使いやすい製品になるかどうか、中川シニアプロダクトマネージャーの手腕にかかっている。
4月25日に発売する「アドビフォトショップアルバム」は、これまでアドビが培ってきたプロ向けデジタルイメージング技術を個人向けに応用した製品だ。
「デジタルカメラは世界で日本が販売量ナンバーワンで、日本中心にいろいろなことが始まっている。日本の感覚を取り入れ、米国でも成功する先駆けにしたい」
ますます意欲的である。
プロフィール
中川 葉子
(なかがわ ようこ)東京都出身。エレクトロニックデータシステムズでソフトウェアのマーケティングを担当。1996年に渡米。ラディウスでインターナショナルビジネスディベロップメントマネージャーとしてマッキントッシュ用モニタ、グラフィックスカード、ビデオ編集システムの事業開発担当。99年、アドビシステムズに入社。現在、シニアプロダクトマネージャーとしてフォトショップ、フォトショップエレメンツ、 フォトショップアルバムのアジア市場向け製品開発を担当。