会社を設立して5年、「最近、やっとゴルフを楽しめるようになった。それまでは苦痛で…」「初めは空振りばかり。クラブをボールにあてるのが精一杯だった」にも関わらず、最初に声がかかったのはIT業界のトップが集まるゴルフ懇親会。「今思えば、すごくラッキーだったのに、そのときは否定的で、変なコンプレックスに悩まされた」
こうしたコンプレックスをプラス志向に転換することが、浅井さんはとても上手い。歯科技工士からIT業界への転身。その後、外回りの営業に志願し、販売競争に明け暮れる一方、夜学で大学を卒業。脱サラしてからは修士号まで取った。ゴルフもめきめき上達した。「畑違いに転がり込んではコンプレックスに悩む。でも、これががんばるきっかけになる」
誘われたゴルフやビジネス勉強会などは、時間の都合がつく限り、積極的に参加する。「どんなに遠かろうと、寒かろうと関係ない。自分の足で、人の輪に入ってこそ、見えてくるものがある」昨年9月、中国・上海へ初の海外進出も果たした。今年度(03年7月期)の年商は翻訳を中心に約1億2000万円にのぼる。今後は、中国をはじめとする海外での市場調査の事業を立ち上げるなど新規開拓に力を入れる。人との交流を通じて、また次の新しい世界が見えてきた。
プロフィール
浅井 満知子
(あさい まちこ)群馬県生まれ。横浜にある歯科技工士の専門学校を卒業したのち、ソフト開発のイーストで勤務。1993年、化粧品販売のディーエイチシーに入社。在職中に青山学院大学を卒業。98年に退社して翻訳サービスのエイアンドピープルを起業。01年、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士課程)を修了。02年、中国・上海に中国企業と合弁でエイアンドピープル・ビジネス・コンサルティングを設立。