先鋭と原石の使命は、世界を動かすシステム構築

東京・南青山にある洒落たビルの一角に事務所はある。社内を見渡すと、若い社員の多さに驚く。「入社前に一人前のプログラマーに育成する独自の人材開発教育を受けたSIer(システムインテグレータ)集団」で、オープン系システムを熟知する先鋭が揃う。1989年の会社設立当初は、別所社長が“一人社員”で、UNIX上で人工衛星の制御プログラムを開発し業務を拡大した。バブル崩壊時には「倒産しかかる事態」を経験しているが、その後は成長を続け、昨年度(2003年6月期)は売上高10億円にまで拡大した。
「汎用機の時代、プログラムは『密閉された箱』の中にあった。だが、現在はオープンにシステム構築ができ、独立系ソフトハウスにもチャンスが増えた」金融業に関するシステム構築が主力だが、「他の業種のフロント回りでも活躍の場がある」と、拡大路線を進み、3年後のジャスダック公開を当面の目標とする。
出身は兵庫県。西宮市の新興住宅地で育った。地方公務員だった父親の「反面教師」で、「中学生の頃には、中小企業の社長になろう」と決めていた。工学部の学生時代にアルバイトで電力中央研究所の助手をした。「そこの水が合った。『天性の才能』でプログラム言語をマスターできた」という。同社の入社試験は、合格率が僅か3%。「才能」のある原石を探すため、「徹底した選抜」を行う。そんな会社の使命は、「世界を動かすシステムの構築だ」と自負している。
谷畑良胤・取材/文ミワタダシ・写真
プロフィール
(べっしょひろよし)●1965年、兵庫県宝塚市生まれ。横浜国立大学工学部機械工学科中退。89年、学生時代に有限会社レッドフォックスを設立。99年、株式会社に組織変更。