顧客情報やアドレス帳などは、重要なデータベースだ。しかし、パソコンへの入力や更新に手間がかかるため、管理が容易ではない。こうした問題を解決するデータベース管理システム「スラメ」を開発したのが、エグゼコミュニケーションズの四宮玄介社長だ。大学入学と同時に、熱帯魚水槽の設置や運営を手がける、「アクアコンサルタント」を立ち上げる。
「大学に入学したのは、親元から離れてビジネスを行いたいと考えた」からだ。ホテルや病院などから注文を取り、事業は順調に拡大。熱帯魚のほかに、宅配などにも事業を広げた。高校時代に情報処理2種の資格を取得するなどコンピュータに精通していた。熱帯魚事業は、「試験的なビジネスでもあった」。加えて、「市場規模が100億円に達しない」ため、「市場拡大の可能性がある事業に参入する」という理由からIT業界に踏み入った。
将来的には、「スラメを個人情報管理の標準ツールにする」ことが目標。「サービスを充実させることはもちろん、会社の信頼性を高めることも必要」と、株式上場を目指す。しかし、「会社自体を大きくするのではなく、事業部ごとに会社を設立して切り離す」という。「顧客ニーズに対応するためには、大規模な会社になることがよいことではない」というのが持論だ。
プロフィール
四宮 玄介
(しのみや げんすけ)1977年、鳥取県鳥取市生まれ。96年4月、東洋大学入学と同時に、熱帯魚水槽をホテルのフロントや病院の待合室などへ設置する企画・運営会社「アクアリウムコンサルタント」を設立。97年6月、会社名を「リバーサルエンタープライズ」とし、同年7月、熱帯魚事業部のほかに宅配事業部や企画推進事業部を設置。00年3月、大学中退。同年5月、エグゼコミュニケーションズ設立。代表取締役社長に就任。