自分が使って楽しいソフト――。ラベル作成ソフト「ラベルマイティ」の開発責任者である谷脇研児氏がもつ、ソフトの最低限の合格ラインだ。「第一ユーザーは自分。私が満足しなければ誰も買うはずがない」「ジャストシステムには熱狂的なファンがいてくれる。恥ずかしい製品は出せない」プレッシャーもある。
「ラベルマイティ」の開発には、バージョン1から最新版の4まで携わった。バージョン2からは開発責任者。ユーザーの声をいかに反映するかをソフト開発の中心に据える。学生時代、何気なく触れたプログラミング。「プラモデルを組み立てるような感覚」に魅せられた。ジャストシステム入社後2-3年間で、「試行錯誤の積み重ね」から自分流のスタイルを確立した。
「一太郎」、「三四郎」という看板商品の開発も担当してきたが、「ラベルマイティの方がやりがいはあるし、何より楽しい」と言い切る。「一太郎や三四郎は業務向けのソフト。ラベルマイティは、お年寄りでも子供でも使ってもらえる。幅広いユーザーに使ってもらえることは醍醐味」学生時代に味わったソフト開発の魅力を、今でも抱き続ける。開発を楽しみ、利用も楽しむプログラマー。「ラベルマイティ」には、厳しい第一ユーザーの合格ラインを超えたという裏付けがある。
プロフィール
谷脇 研児
(たにわき けんじ)1969年1月、徳島県阿南市生まれ。91年3月、神戸大学工学部電子工学科卒業。91年4月、ジャストシステム入社。ワープロソフト「一太郎」のバージョン5―6の開発に従事。96年、表計算ソフト「三四郎」シリーズのバージョン8―9を開発。99年からは「ジャストホーム」と「はっぴょう名人」、00年からは「ラベルマイティ」の開発に携わる。