「どんな困難なトラブルでも迅速に処理できるような技術者を育てる」こう力強く語るのは、アルゴ21の執行役員研究開発センター長である岩本峰尊氏。同社の技術者たちを束ねる存在だ。研究開発センターの設立は昨年4月1日。同社にとって、魅力あるソフトウェアの開発でビジネス拡大を狙う試金石になる。
「ソフトはアイデア。しかも、センターの人員は売りに歩くことはしない。直接“金を稼ぐ”部署ではない」しかし、研究だけに没頭せず、「教育から実践、普及に結びつけることを念頭に置く」ことで売上増につなげる。
「能力を身につければ、理屈の通ったソフトが開発でき、シチュエーションに合わせた動きがとれる」。「今後は、企業がLinuxなどOSS(オープンソースソフトウェア)を選択肢の1つとして採用する可能性が高い。こうしたシステム案件に対応できる人材も必要になる」。OSSの開発を積極的に取り入れることで、「技術の幅も広がる」と、顧客に最適なシステムを導入することに余念がない。
独立系ソフト開発会社による企業連合のインフォメーション・テクノロジー・アライアンス(ITA)のなかで、OSSを商用化するために発足した共同プロジェクトでは技術部門の責任者に抜擢された。これまで経験したノウハウを生かし、日本でのOSS普及に一役買う。
プロフィール
岩本 峰尊
(いわもと みねたか)1952年生まれ。神戸商科大学卒業後、日本ユニバック(現日本ユニシス)に入社。大型汎用機のOS保守・開発業務に携わる。85年、アルゴ21に転じ、フォールトトレラントコンピュータによるOLTPシステム開発などに従事。●2001年、BtoB関連のeソリューションサービス事業本部長に就任。03年4月以降は、ソフトウェア・エンジニアリング技術およびシステム基盤技術の推進部門である研究開発センターの立ち上げ、統括責任を担っている。