「不安?もちろんありましたよ」日本に来るのはこれが初めて。昨年11月30日、アップルストア銀座がオープン。米国では70店舗を超えるアップルコンピュータの直営店が日本に初進出。店長に抜擢された。米国で長年小売業に携わり、アップルストア2店舗の店長を務めた。そんな経験を持つケーノ氏でも、不安だったという。日本での初仕事だからではない。生活や文化の違いに戸惑いも感じていない。ただ、米国で追求してきた理想、「ほかでは体験できない、特別で、ユニークな場所の創造」を具現化できるかだけだった。
「小売業とコンピュータテクノロジーが大好き」コンピュータサイエンスの学位も大学では取得したが、「じっと椅子に座っていられないタイプ」。専任の通訳とともに率先して来店客に声をかける。スタッフにも活気がある。「小売業はコミュニケーションがすべて」 「個性を殺さず楽しく仕事ができる職場作りが私の役目。それがお客さんの満足度にもつながるんです」スターバックスコーヒーやGAP(ギャップ)など、東京のさまざまな小売店を回り、素晴らしいサービスを提供している人を自らが引き抜いた。その数は20人を超える。「どこの国でも小売業に違いなんてないんですよ」
プロフィール
スティーブ・ケーノ
(スティーブ・ケーノ)米国生まれ。米国内の大学を卒業後、コンピュータ大手量販店で小売業に携わる。2000年、米アップルコンピュータ入社。アップルストアのベイエリア1号店のパロアルト店にて販売を担当。02年7月には、ニューヨーク・ソーホー店のオープン当初から店長を務める。03年11月からアップルストア銀座、ゼネラルマネージャ(店長)に就任。