エス・エス・ジェイ(SSJ)には、これまで開発者とユーザー企業が直接会って意見を交換する仕組みがなかった。例外的にユーザーと会う機会を除けば、年に1回あるかないかの障害対応でユーザー先に出向く程度だった。主力ERP(統合基幹業務システム)製品の「スーパーストリーム」ユーザー企業数は、すでに全国3500社を超えており、今も増え続けている。開発者の1人である村上さんは、「いい仕事をして、いい商品をつくって、それが売れるというのは、結果的にいいことだ」と、純粋に喜びを覚える。
だが、「ユーザーと会って、実際に使ってみた感想を聞きたい」との思いは以前からあった。こうした開発側の意向もあり、今年8月、販売特約店などビジネスパートナーと開発者による公式の意見交換の場が初めて設けられた。同時に、早ければ来年4月以降、ユーザー企業と開発者が直接会って意見交換する仕組みも導入される予定となった。「これまで開発した商品がユーザーニーズをつかんできたからこそ納入社数が伸びた。新規開拓も重要だが、開発者として既存顧客の声に耳を傾け、より高い満足度を体験してもらえるよう努力する。想像だけでモノをつくるのは、ときに不安になる」既存顧客の満足度を確かめ、必要とあれば修正を加えることで、開発の正しい方向性を見極める。
プロフィール
村上 高敏
(むらかみ たかとし)1974年、東京都生まれ。94年、日本大学経済学部中退。97年、東京エアトラベル・ホテル専門学校卒業。同年、ソフト開発のシステムランド入社。99年、退社。同年、フリーのエンジニアとしてエス・エス・ジェイの主力ERP(統合基幹業務システム)製品「スーパーストリーム」の開発に参加。00年、エス・エス・ジェイ入社。04年4月、05年度(06年3月期)以降順次出荷予定の次期スーパーストリーム新製品の開発に参加。