半田正浩さんは、明治大学のインキュベーションプログラムを活用して、昨年9月に次世代通信システムの企画・開発・販売会社、COCO・WA・DOCO(ココハドコ)を設立した。SIP(セッションイニシエーションプロトコル)を使ったIPビジネス電話の企画・開発のほか、光ファイバー網を活用した産官学連係のプロジェクトで、戸越銀座商店街(東京都品川区)での「ユビキタス商店街」実現に向け、具体的なサービスとその活用プランを練っている。
品川区出身で、戸越銀座は小さいころから慣れ親しんだ地元。思い入れも深い。2000年には「戸越銀座ネット」の開設にも参画した。コンピュータに不慣れだった商店街の人たち向けの講習会を2年間続けた。「商店街と企業の接点になりたい」と、積極的に活動している。
街灯にカメラやスピーカーなどを取り付けて、地中埋設管に光ファイバーを通してLANにつなぐ。商店街のユビキタス化が実現すれば、「子供やお年寄りがどこを歩いているかすぐにわかったり、お店の情報発信にも利用できる」。
COCO・WA・DOCOのビジネスとして、大学内で利用するシステムも開発する。「自分たちで使うものは自分たちで作るようにしていきたい」。
もちろんビジネスだから、このシステムを他の大学にも販売していきたいと考えている。別の大学が同じシステムを使えば、大学間の連携も図れる、と夢は膨らむ。
ビジネスのアイデアは拡がるが、企業経営よりも、「大学教授の道を選ぶ」という将来図を描いている。
プロフィール
半田 正浩
(はんだ まさひろ)1978年、東京都品川区出身。97年4月、明治大学政治経済学部入学。00年12月、アイティーネットワークス設立。代表取締役就任。01年8月、品川区戸越銀座商店街の「戸越銀座ネット」の企画開発に参画。01年4月、同大学大学院政治経済学研究科博士前期課程入学。04年3月、品川区商店街連合会の「しながわポータルサイト」の企画開発に参画。04年9月、COCO・WA・DOCO設立。代表取締役就任。