マイクロソフトの技術にほれてエバンジェリストになった。「さまざまなソリューションは存在するが、マイクロソフトの技術は地に足がついた現実解であり、決して虚構ではない」。そう感じたからだ。
プログラミングを通じ、「苦労して身につけた技術は裏切らない」ことを学んだ。いまでもエバンジェリストであるとともにプログラマであると自負する。
時代は時計の振り子のように揺れる。
「ソフトウェアの開発競争が過熱したかと思えば、ソリューションを過度に重視する時期もあった。いまは技術を再評価する動きが強まっている。検索サービスのグーグルが注目されるのは独自技術を持っているからだ」
「次期ウィンドウズのビスタは技術の粋を集めて“社会の中でコンピュータ環境はこうあるべき”というアイデアやメッセージを随所にちりばめた」
しかし理解してもらえなければ“ベンダーの都合でプラットフォームを勝手に変えるな”と反感を買う。
「“これまでこうだったから使いづらかったよね。だから今度はこう改善しました”と分かりやすく伝えてこそ、真の利便性が生きてくる」
マイナス印象が積み重なれば色眼鏡がかかり、技術者やユーザーの心の中でマイクロソフト製品が切られてしまう。
ウィンドウズプラットフォームが変革期を迎えるなか、プログラマ出身のエバンジェリストとして大いに技術論を展開する。
プロフィール
松崎 剛
(まつざき つよし)1969年、愛知県生まれ。94年、慶應義塾大学院理工学研究科前期課程(修士課程)修了。同年、東芝入社。情報システム部やグループ企業のソフト開発会社などでプログラマやプロジェクトマネージャを務める。01年、朝日アーサーアンダーセン(現ベリングポイント)入社。ソフト開発プロジェクトにおける技術支援などに従事。05年12月、マイクロソフト入社。