10年以上、情報セキュリティ製品のマーケティングを担当してきた。前職はマカフィー。「全自動ウイルス対策」をうたい、中小企業に爆発的に売れている「McAfee Managed Total Protection」の仕掛け人といっても過言ではない。
独特のマーケティング哲学を持ち、難解な説明が多いIT業界では珍しく、プレゼンも文書も分かりやすい。一方、年長の社員に対しても気後れせずに主張すべきはするといった個性の強さも持ち味だ。
一貫して歩んできたマーケティング畑を抜け出し、今の会社に移ったのは半年前。新天地の創業者は、米同時多発テロ発生後、ニューヨーク市を再生へと導いたルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長。その経験を生かして総合セキュリティコンサルティングサービスを手がける会社だ。これまでの経歴からみれば、異色の選択だが、ジュリアーニ氏のブランドと市場の可能性を判断材料に入社を決めた。持ち前のチャレンジ精神をかき立てられたのも動機となった。
「『次は何が売れるか』を考え、新しいことを始めるのが好き。今の会社の事業は、まだ新しい分野で市場もないに等しい。でも、立ち上がれば面白い」
扱う商品はプロダクトではなくサービス。手がける範囲も情報セキュリティだけでなく、物理的セキュリティや危機管理などと幅広い。「これまでのオーソドックスなマーケ手法が通用しない」と苦笑いするものの、「マーケットをどう開くか」と話す表情は明るい。
プロフィール
能地 將博
(のうち まさひろ)1993年、早稲田大学卒業。同年CSK(現・CSKホールディングス)入社。1995年からファイアウォール(FW)などセキュリティ製品のマーケティング業務に従事。00年、日本ネットワークアソシエイツ(現・マカフィー)に転職しウイルス対策ソフト・サービスや不正侵入防御(IPS)など、法人向け商品のマーケティングを統括。06年6月、ジュリアーニ・セキュリティ&セーフティ・アジアに入社。マーケティングディレクターに就く。特定非営活動利団体(NPO)の日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)幹事も務める。ジュリアーニ・セキュリティ&セーフティ・アジアは、米ジュリアーニ・セキュリティ&セーフティの日本法人で、企業の安全対策と危機管理体制づくりを支援するコンサルティング会社。