2006年10月7-8日に開かれた第17回高専プロコンの課題部門で、最優秀賞の栄誉に輝いた長野高専「しゃぼん玉とばそ」のチームリーダーを務めた。
中学の技術家庭科でパソコンに興味を覚え、3年生のときに独学でC言語の基礎を学んだことから、電子情報工学科を持つ県内の高専へ迷わず進学。勉強嫌いだったが、次第に数学が好きになった。方程式の解や確率を追究するなかで、ふと気がつくと日常生活で出会うさまざまな事柄をプログラムに置き換えて考えることが習慣に。いま関心があるのは、過去のデータから次にくるものを予測する「パターンのプログラム化」で、その延長線上に科学計算や数理論などのプログラムがあるようだ。
一時あこがれていたゲームのプログラミングについてはもはや醒めたそうだが、それでも、任天堂の新型ゲーム機「Wii」には一刻も早く触りたいという。ゲームで遊ぶことよりも、新機軸を採用したゲーム機の仕組みに興味があるのかもしれない。
何かに取り組むときには寝食を忘れて集中するが、ふだんは「のんべんだらりとした怠け者」と自認する。このままでは高専時代に何も残せないと発奮し、仲間を誘ってプロコンに挑戦。見事な成績を収めたが、個人的には「プロジェクトにおける時間管理の重要さを学んだことが成果」だったとか。
来期以降の活躍が期待される立場だが、「今回で燃え尽きたので、たぶん4年生では何もしないと思います」。そう語る一方で、残りの2年間を「授業で扱うかどうかにかかわらず、自分の関心にしたがって学んでいきたい」と、自立心は旺盛。今後、何にどう取り組んでいくのか目が離せない逸材である。
プロフィール
石飛 太一
(いしとび たいち)1988年12月、長野県塩尻市生まれ。04年4月、長野工業高等専門学校電子情報工学科に入学。現在、3年生で在籍中。第17回全国高等専門学校プログラミングコンテスト課題部門で最優秀賞(文部科学大臣賞)を受賞した「しゃぼん玉とばそ」のチームリーダー。卒業後は進学を希望している。