スパムやウイルスなどの侵入を防ぐメールセキュリティアプライアンス「マトリックススキャン」を開発する。企画から設計、開発をすべて自社で手がけるのがモットー。輸入商品が大半のセキュリティアプライアンス市場では、極めて異色の存在だ。
マトリックススキャン単体の売り上げは前年度比3倍で伸び、全売上高も2倍に成長。日立情報システムズなどの有力SIerが担ぎ、NECや日本ヒューレット・パッカードなどのコンピュータメーカーがSIパートナーと認める。伸び盛りだ。
小島美津夫社長は、アイマトリックスを設立する前は、外資系企業を渡り歩いてきた。「気に入らない仕事はしたくない」という気性が数度にわたる転職を促した。自らの先見性を信じ、商売の芽を感じれば組織に縛られることなく、土俵を変えてチャレンジしてきた。「ミニコンを最初に日本に持ち込んだのは自分だ」と、これまでやってきた仕事について自負心をもっている。
ただ、アイマトリックスでは築いてきたキャリアにこだわることなく、コスト負担が大きい自社開発で商品を販売する道を選んだ。アイマトリックスの成長が、自身のビジネスマン人生の集大成と感じているようにもみえる。リスクテイクなビジネスだが、小島氏の表情は明るい。
「IT業界は他業界と違って変化が激しいから、飛躍できる機会も山ほどある。こんな面白い業界はない。だからもっとチャレンジして楽しみたい」
プロフィール
小島 美津夫
(こじま みつお)京都府出身。電子機器商社に就職し、科学技術用コンピュータの輸入やコンピュータ画像処理システムの販売に従事。その後、米フローティングポイントシステムズやインテル、インフォミックスなどで要職を務めた。2000年、コムタッチジャパンを立ち上げ、CEOに就任。02年、アイマトリックスを設立し、代表取締役社長に就任。