「人にやさしく」がモットーだ。トライコーンは企業向けにメール配信やCRM(顧客管理)を提供する。サービスのうたい文句は「カンタン操作」。しかし、花戸俊介は「誰もが簡単に使える、シンプルでやさしいツールとしては、まだまだ足りない部分がたくさんある」と決して満足していない。
理想とする“やさしい”サービスの実現に向け、山のように出てくる課題と取り組む日々が続くが、「一日が過ぎるのがあっという間というくらい充実している」と笑顔を見せる。
ファッションが好きで、大学では繊維産業を専攻した。大学卒業後はアパレル会社に入社し、商品情報をFAXで店舗などに配信する業務を担当。洋服の写真をコピーして貼った手書きのパンフレットを作って取引先に配布した。ここで顧客管理の面白さを知る。
PCには子供の頃から親しんできた。アパレル会社勤務時代に、黎明期のインターネットと電子メールに遭遇。その時、「顧客管理をインターネットや電子メールでできたら」と直感的に思ったという。それがトライコーンに転職するきっかけになった。入社時の社員は花戸を含めてわずか5人。営業担当として「自分たちのサービスに足りないものを補いながら、とにかくここまで一気に駆け抜けてきた」と振り返る。技術、サポートの充実を一歩一歩、地道に進め、今では社員40人を抱えるまでに成長した。
好きな色はピンク。理由は「明るくて、人にやさしい印象を与える色だから」。色の好みにも人への思いやりが現れる。会社のコーポレートカラーに採用しているだけではなく、仕事でもジャケット、ネクタイ、靴など、毎日必ず一つはピンクを身につけるという徹底ぶりだ。
一方で、ダイヤモンドや金のシンプルなキラキラ感も大好きだ。「70歳になっても、毎日、そして一瞬一瞬を常に輝き続けていたい」と花戸は話す。その想いが宝石や金属が持つ永遠の輝きと重なり、惹かれるのだろう。(文中敬称略)
プロフィール
花戸 俊介
(はなと しゅんすけ) 1972年東京都武蔵野市生まれ。明治学院大学社会学部卒、94年レナウン入社、99年トライコーン入社。04年取締役、07年代表取締役に就任。総務省「ASP・SaaSの情報セキュリティ対策に関する研究会」の委員や特定非営利活動法人アップエクスチェンジコンソーシアム理事長を務める。