新卒で配属されたのは大阪エリアの企業向け流通部門だった。卸先であるSIerとエンドユーザーに向けた同行営業に出かけたり、時にSIerに代わってユーザー向けのプレゼンテーションを行うなど、「現場を知る」ところからキャリアをスタート。以来、友秀貴は流通一筋でやってきた。“売るだけで終わらない”のが、SIビジネスだ。ユーザーに納入したシステムがトラブルを起こしたら、昼夜を問わず現場に駆けつける。SIerの担当者と連携しながら解決に取り組んできた。関西圏だけでなく、たとえば東京に所在するユーザーのサポートをするため、SIerとともに足を運んだ。「とても勉強になった」と、当時を振り返る。
ITシステムは、クラウド/SaaSなどのサービス型へとアーキテクチャが大きく変遷。2005年に東京へ転勤した後も、商材は入れ替わり続け、取引先のSIerは、そのたびにビジネスモデルの再構築に追われる。こうした時こそ、「営業・技術の両面でしっかり支援するのがディストリビュータの使命」と考え、今年4月に仮想化を前提としたサーバー・ストレージビジネスの部門を本格的に立ち上げた。仮想化は、クラウドやSaaSを支える基盤技術だ。
サービス型が本流となれば、旧来型のSIやソフト開発の余地は減る。だが、一方でクラウドをベースとした新たなSIが生まれる。ならば、「サービスにソフトやハードを絡めた新しい“売る仕組み”をSIerに提供すればいい」。ソフトバンクテレコムやソフトバンクモバイルなど、グループの「通信ネットワークとハード・ソフト、サービスを複合的に組み合わせた商材づくり」も着々と推進。不況によってIT投資の縮小が続くものの、自らが「縁の下の力持ち」となり、逆境をチャンスにつなげる。(文中敬称略)
プロフィール
友 秀貴
(とも ひでたか) 1973年11月、福岡県生まれ、大阪育ち。97年3月、関西学院大学商学部卒業。同年4月、ソフトバンク入社。以来、IT流通ビジネス一筋でキャリアを積んだ。09年4月、エンタープライズサーバー&ストレージ推進部長。仮想化を前提としたサーバー・ストレージビジネスを担当する。ソフトバンクBBのIT流通ビジネスは、国内外の約1600社のITメーカーから商材を仕入れ、全国のSIerなど法人系販社約5800社、ならびにコンシューマ系の量販店約7200店舗への卸販売を手がける。