会社にあるPCを異なる端末や違う場所でも同じように利用できる──。そんな旬のソリューションが、「Citrix XenDesktop」。シトリックスの主力製品だ。
その戦略商品の使い勝手を、製品化前に試していたのが冨永千鶴である。「ユーザーの手元に届く前に、評価・検証して、課題点などを指摘していた」。彼女がパイロットユーザーの第一号に選ばれた理由は明確。ユーザーとして、「XenDesktop」を欲する環境にいるからだ。
冨永は、会社では入社8年目のベテラン社員。販促物の作成などマーケティング業務を取り仕切る。その一方で、家庭に戻れば、もうすぐ2歳になる男児の母親であり妻。育児と家事をこなしながらビジネスに携わる。妊娠を機に、フルタイムでは働けなくなった。それでも、「仕事をあきらめるのは嫌だった」。まさに「XenDesktop」を必要とするユーザーである。
家庭と仕事の両立を選んだ彼女の1日は、目まぐるしい。毎朝7時に起床して食事を用意し、8時50分に自宅を出て保育園へ。9時30分に出社し、16時30分に退社する。そして17時に再び保育園へ。帰宅後、子供をあやしながら食事の用意。19時30分には風呂に入れて、21時に寝かしつける。そして、21時30分には仕事に戻る。
仕事では、社内PCとネットブック、自宅のPCと「iPhone」の四つの端末を操る。そのすべてが「Citrix XenDesktop」につながっており、アプリやデータはシドニーのデータセンターにある。端末や場所に依存することなく、どこでも同じ環境で仕事しているのだ。
「子育てしながらの勤務は、いうまでもなく大変! でもね、仕事と家庭の両立は、それ以上の喜びを与えてくれるんです。だから、すべての働く女性に、妊娠・出産で仕事を辞めてほしくない。私が模範を示せればいいなと思います。『XenDesktop』の便利さも知ってもらいたいしですしね(笑)」。
自社ソリューションのモデル活用者として、そして「働くママ」の模範として、多忙な日々を楽しんでいる。(文中敬称略)
プロフィール
冨永 千鶴
(とみなが ちづる)東京都出身。米クレイトン大学のビジネススクール修了後、1992年に帰国。総合電機メーカーで新規事業開拓業務に従事した後、外資系IT企業でマーケティングコミュニケーション業務を推進する。02年、シトリックス・システムズ・ジャパンに移籍し、08年3月に出産のため休職。同年4月に長男を出産し、その7か月後の11月に復帰、現在に至る。