日本の有力SIerで最も早い時期に隣国・中国へ進出したコア。その最前線の上海で活躍するのがプロジェクトマネージャーの有松美智子だ。北京と上海にある主要拠点のうち、前者は業務システム系の比率が多く、後者はコアグループの最大の強みである組み込みソフト開発をメインに手がける。
活気ある中国だが、有松にとってのビジネスは必ずしも順風満帆とはいえなかった。上海に赴任してから1年後、世界的な経済危機に直面。上海コアは、日本の製造業顧客に向けた組み込みソフト開発の比重が大きく、経済危機に伴う製造不振の大波をかぶった。入社後、国内で3年余りの訓練を受けた有松だったが、日本経済の落ち込みに加え、上海赴任後は、「自身の経験不足による歯がゆい思い」も味わうこととなった。
有松が初めて中国に行ったのは高校の修学旅行。第一印象は「とにかく活気がある」こと。大学進学後も1年休学して上海に留学するなど、中国に魅了されていく。街を行く人々のなにげない会話も、「まるで“腹の底から響く”ような大きな声」に圧倒される。その活気に吸い寄せられるように、日本からのビジネスパーソンは日に日に増えている。有松の出身地である福岡の上海での県人会の会合には、「軽く30~40人は集まり、コアの事業所がある神奈川の県人会には、さらに多くの人が集まる」。ほかにも、生まれ年別の“81会”も人が増えてきた。
人づての紹介による“人脈”も着実に広がる。人と人のつながりを重視する中国では欠かせない要素である。今、中国に進出している日系企業や、地元の製造業顧客の多くは業績を伸ばしており、「いつまでも日本から依頼されるオフショア開発案件ばかりを待ってはいられない」と、中国地場の市場開拓に意欲を示す。有松は既存の開発案件をこなしながら、時間を見つけては上海の日系企業や中国企業とのパイプづくりに励む。(文中敬称略)
プロフィール
有松 美智子
(ありまつ みちこ)1981年、福岡県生まれ。04年3月、九州工業大学情報工学部を卒業。在学中に1年休学し、私費で中国・上海大学に語学留学。04年4月、コア入社。07年10月、中国現地法人の上海コアに赴任。組み込みソフトの開発プロジェクトの管理進行に従事。現在に至る。