楽天のDevelopment Unitグループプラットフォーム開発・運用2課課長の職にある橋場一郎は、高校生の頃からIT業界を目指していた。1994年頃、大学ではすでにインターネットが当たり前に使われるようになっていた。橋場は、インターネットを使った仕事がしたいと、強く思うようになった。
大学卒業後、NTTデータに入社。情報視覚化の研究に携わった。そのなかで、地図情報の配信を研究。2000年、iモードが登場すると、橋場は、「携帯を利用した消費者向け事業を立ち上げたい」と公共事業営業部に異動した。「ものづくり」から「販売」まで「ゼロから事業を立ち上げていく、あの頃がいちばん楽しかった」と振り返る。
地図の技術を生かして本格的にコンシューマ向けのビジネスを手がけたくなり、2005年にリクルートに転職。地図から店舗や地域情報を検索できるサービス「ドコイク?」の立ち上げに関わった。携帯のGPS機能とキーワードマッチによる情報検索なども可能だった。しかし、事業は成功したといえず、地域情報サイトの「ホットペッパー」など、既存事業の運営に回った。
「既存事業の運営よりも、新しいものを立ち上げたほうが面白い」。橋場は退社を決意した。角川マーケティングを経て、インターネット本流のビジネスが手がけるべく、昨年4月に楽天に入社。現在は楽天グループのサービスで共通に利用できる機能を手がける。6800万の会員を有する楽天。橋場はユーザーが面白がる機能の企画・開発にいそしんでいる。「まだまだインターネットには伸びしろがあり、レガシーなものを変えていく力がある」。橋場はその担い手の一人として、インターネットの世界をダイナミックに変えていく。(文中敬称略)
プロフィール
橋場 一郎
(はしば いちろう)1996年、NTTデータに入社。情報視覚化の研究を経て、地図情報の配信サービスや歩行者ナビゲーションサービスの開発、営業に従事。05年、リクルート。08年、角川クロスメディア(現角川マーケティング)で、地域情報関連の事業開発、サービス開発に取り組む。10年、楽天に入社し、ポイントやクーポン、電子マネー関連のシステム企画・開発・運営に取り組む。