絶対にできます──。WEICが独自のアルゴリズムで開発したSaaS型のeラーニング「超速中国語」シリーズ。これで学べば「中国語は必ず話すことができるようになる」と豪語してはばからない。いまや、大手企業から中小企業まで、国内約180社/延べ2万人が使う教材となった。中国へ市場を求める日系企業が急増するなか、脚光を浴びている。
内山雄輝が早稲田大学在学中に教授と共につくり出した語学習得に必要な相関係数を、中国語のeラーニングに応用。卒業した年、在学中に中古車販売で蓄えた資金などを元手にWEICを起業して教材販売を開始した。
中国語のeラーニングがビジネスとして成り立つと内山が判断したのは、「北京五輪前に中国語が盛り上がる」との読みがあったからだ。だが、この“皮算用”は脆くも崩れ、一時は窮地に陥る。しかし、内山のバイタリティはここからがケタ外れ。「あり金を全部はたいて、中国に現地法人を設立した」。今度は「日本人に中国語」ではなく「中国人に日本語教育」をしようと、現地に乗り込んだのだ。中国政府の通達で日本語指導が強化されたことを知り、「全省のソフトウェアパークを回り、政府高官とも面談した」。自ら市場を切り開き、ビジネスは上り調子になっていく。
WEICは、メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム(MIJS)の加盟企業だ。MIJSは先般、中国・四川のチャイナテレコムなどとMIJSのソフトを中国の会社にSaaS提供するインフラを整備。実はこの立役者が内山だ。「中国で成功するには、中国人の考え方や嗜好を会話を通じて肌で感じるべき」──実戦でつかんだノウハウがある。(文中敬称略)
プロフィール
内山 雄輝
(うちやま ゆうき)1981年、愛知県名古屋市生まれ、29歳。2004年3月、早稲田大学卒業。同年11月、早稲田大学の教授らと言語教育に特化したeラーニングシステムの構築とサービスの提供、eラーニング製品の開発と販売、導入支援会社のWEICを設立して、代表取締役社長(CEO)に就任。MIJSでは「海外展開委員会」に所属し、中国へ進出する計画に関する中国側との折衝を担当する。